本記事は、ママスリープコーチ・城田香織(しろた かおり)さんの監修を受けています 。

【監修者】ママスリープコーチ・城田香織
産前産後から思春期まで、親子の睡眠をサポートする睡眠の専門家。家庭の生活リズムづくりに詳しく、冬の時期に乱れやすい“親子の睡眠習慣”について現場経験をもとにアドバイスしています。
12月は、親は忘年会や仕事納め、子どもは部活・塾・受験準備と、家全体の生活リズムが揺れやすい時期です。無理をして乗り切ろうとするほど、年末年始のタイミングで一気に疲れが表面化することもあります。
城田香織さんは、
ママスリープコーチ・城田香織さん完璧を目指さず、できた日を静かに積み上げることから始めてみましょう
と話します。


この記事では、今日から無理なく続けられる“冬の睡眠を守る5つの工夫”を紹介します。冬は親子ともに体内時計が後ろにずれやすく、朝起きづらい・眠気が続きやすいと感じる季節です。そのため、日頃の“小さな整え方”が一層効果を発揮します。
1|冬の睡眠は乱れやすい。起きづらくなるのは自然な変化


冬は日照時間が短くなり、朝の光を浴びるタイミングが遅れがちです。結果として体内時計が後ろにずれ、朝起きづらい・眠気が抜けにくいと感じやすくなります。これは根性や意志の問題ではなく、季節による自然な現象です。
まずは、親子で起床時刻をできる限り一定に保ちながら、就床を+10分だけ早めることから始めましょう。
たった10分でも、翌朝の気分や体の軽さが違ってきます。



眠れなかった自分を責めず、整った日を一つ増やす。その積み重ねが冬の回復力になります。
2|受験・部活・塾 ー冬の睡眠は “徹夜”より起床からの逆算


覚えた内容を整理する“レム睡眠(夢を見る睡眠)”は、睡眠の後半に多く現れます。冬は特に眠気を感じやすく、無理な「夜の詰め込み」は翌日の集中力を下げる原因になりがちです。
中高生は、体も脳も大きく成長する時期。
起床時刻から逆算して就寝時間を決めることで、睡眠リズムが安定し、朝のパフォーマンスが整いやすくなります。
冬の睡眠は「起床→就寝の逆算」で決まる|中高生の具体例
- 起床6:30 → 就寝22:30〜23:00
- 起床7:00 → 就寝23:00〜23:30



“あと30分だけ…”は夜より朝の回復に回したほうが、翌日の自分を助けます。
3|忘年会の夜——分断睡眠をつくらないために


アルコールは寝つきを早く感じさせますが、夜中の覚醒を増やし、睡眠が浅くなるという特徴があります。冬はただでさえ睡眠リズムが乱れやすいため、大人の行動が家族の睡眠に影響することも少なくありません。
そこで役立つのが、次の“やわらかな線引き”です。
- 就寝3時間前までに会を切り上げる
- 1杯ごとに水を挟む
- 帰宅後はノンアルで体を休める
いびき・足音・においなどが気になる日は、別室で休むという選択が家族全体の睡眠を守る助けになります。
4|就寝前60分の整え方——光と温度を味方に


夜の強い光は、体内時計を後ろへずらし、“まだ起きていていい”という合図を体に与えてしまいます。冬は夕方の暗くなる時間が早く、光の影響がより強く表れやすい季節です。
完全に禁止する必要はありませんが、就寝60分前は次の工夫が効果的です。
光
- スクリーンを見ない(必要な場合は明るさを落として暖色に)
- 天井照明の直視を避け、間接照明に切り替える
これだけでも、子どもは特に寝つきやすくなります。
温度
入浴は 就寝1〜2時間前/40〜42℃で10分程度。
体の深部温度がゆるやかに下がるタイミングで、自然な眠気が訪れます。



起床30分前から室温を少し上げておくと、布団から出るハードルが下がります。
5|帰宅→就寝“30分ルール”のミニ儀式


帰宅が遅くなる日は、どうしても気持ちが切り替わりにくくなります。冬は寒さや疲れが重なって、動線が長いと余計に負担に感じることも。
そこで役立つのが、次の“30分でできるミニ儀式”です。
- 玄関でスマホを置く(通知は後で)
- 軽い補食(バナナ・牛乳・味噌汁など)
- 翌日の支度を2分だけ整える
- 入浴(40〜42℃×10分)
- 照明を落とし、紙でゆっくり過ごす → 消灯
できない日があっても問題ありません。
“戻れる道”が決まっているだけで、生活は静かに整います。
6|男女差と「助け合い」の設計


冬は女性のほうが、冷えや筋量差の影響で深い睡眠に入りづらい傾向があります。だからこそ、家族内で“助け合いの形”をつくっておくことが大切です。
- 寝かしつけは父が担当し、母は先に入浴して休む
- 朝の準備は、できる人ができる日に
- 週末は起床時刻の差を ±30分以内 にする



“お願い”の前に“ありがとう”という一言があると、家の空気がやわらぎます。
クイック・セルフチェック(0〜6点)
当てはまるものに〇をつけてみてください。
1)就寝60分前のスクリーンOFFが難しい
2)入浴が就寝直前または熱すぎになりやすい
3)親の帰宅後、家がにぎやかになりやすい
4)起床時刻が週ごとに変わりやすい
5)子どもの睡眠が8時間未満の日が週3回以上
6)忘年会が就寝3時間以内まで続く日がある
0–1点: よい流れです
2–3点: 今夜は「30分ルール」から1つ選んで試す
4点以上: 今週、家族で短く話し合う時間を。“できるところから”で十分です。
親子の冬リズムを守るために——“寝姿勢ケア”というもう一つの視点
冬はどうしても親子そろって睡眠リズムが崩れやすく、起きづらさや眠気の残りといった“小さなサイン”が表れやすくなります。生活習慣の工夫に加えて見直したいのが、意外と見落とされがちな「寝姿勢」です。首や肩に力が入り続けたまま眠っていると、深い睡眠に入りにくく、回復の質が下がってしまうことがあります。
そんな“姿勢由来の寝不足”をやわらげたいとき、頭・首・肩をバランスよく支える設計の枕が役立ちます。横になるだけで姿勢が整いやすく、親子ともに睡眠の深さの土台が安定しやすくなるためです。年末は頑張りがちだからこそ、寝具を少し整えるだけでも翌朝の軽さが変わります。家族それぞれの生活リズムを守る“静かなサポート”として取り入れやすい方法です。
まとめ——今夜の“ひと工夫”が、年末を軽くします


- 就寝60分前は光をやわらげる
- 入浴は就寝1〜2時間前/40〜42℃×10分
- 帰宅→就寝の30分ルールで迷いを減らす
- 中高生は起床から逆算して8〜10時間を確保
- 家族で +10分の冬睡眠 を許し合う



“できた日”を一つずつ重ねれば、親子の年末は静かに整っていきます。
FAQ
- 冬になると朝起きづらいのはなぜ?
-
冬は日照時間が短く、体内時計が後ろにずれやすいためです。
- 子どもの最適な睡眠時間は?
-
中高生は8〜10時間が目安です。
- 忘年会のアルネコールは睡眠に影響しますか?
-
寝つきは早く感じますが、途中覚醒が増えて睡眠が浅くなります。
- 男女で睡眠の深さに違いはありますか?
-
冬は女性が冷えの影響を受けやすく、深い睡眠に入りづらい傾向があります。
※継続的な強い眠気や睡眠中の呼吸の乱れがある場合は、医療機関への相談も選択肢になります。
監修者コメント
「冬は家族それぞれに予定が増え、睡眠が乱れやすい季節です。‘できた日’を一つずつ重ねることで、親子の生活リズムはゆっくり整っていきます。」















































































































































