本記事は、アスレティックトレーナー・木下幸司さんの監修を受け、冬に途切れやすい運動習慣を安全に再開するためのポイントをまとめています。

【監修者】アスレティックトレーナー・木下 幸司
学生アスリートを中心に、怪我からの復帰期サポートや、競技へ戻るための段階的トレーニングに精通する運動の専門家。冬場に起こりやすい“ブランク”や“痛みの再発”を防ぐ指導を得意とし、RPEを使った安全な強度調整や、無理なく運動習慣をつなぐ方法に詳しい。

年末年始の冬は、生活リズムが乱れやすく、運動を再開しにくい季節です。とくに怪我や手術からの復帰期は、何もしない日が続くほど体力や可動域がゆっくり落ちやすくなります。
そんな時期に木下さんが大切にしているのは、
「できる場所で、今の体で、できることから」
というシンプルな姿勢。小さな一歩が、後の大きな安定につながります。
ここでは、冬のブランクをやわらかく埋めながら、無理なく運動習慣を戻すためのコツをお伝えします。
冬に“後戻り”しないコツは、小さく続けること

冬は体が重く感じやすく、いきなり動こうとすると痛めやすい季節です。休み明けに再開する日は、まず体を温めるところから始めるのが安心です。
最初の動きは、難しいものでなくて大丈夫です。
- その場で軽く足踏みする
- 肩や股関節をゆっくり回す
- 短い流しで軽く刺激を入れる
このくらいの準備で、動きやすさが大きく変わります。
ブランクがある時期ほど、最初の数回を丁寧にすることが“戻しやすさ”につながります。
木下さんは「3日は空けない、2日まで」をひとつの指標にしています。
読み物メモ(現場の情景)
大晦日の静かな体育館。冷えた空気の中で、高校生がゆっくり体を温めていました。
その場で軽く足踏みするをして、股関節を回し、10メートルだけ流してみる。
一つひとつの動きは小さいのに、見ていると集中のスイッチが入っていくのがわかります。
木下さんはそっと言いました。
「こういう準備が、いい再開につながるんです。」
有酸素は“息が上がりすぎない速さ”でこまめに

息が上がりきらない程度のスピードが、冬の再開にはちょうど良い強さです。
例
- 速歩〜ゆっくりめのジョギングを15〜30分
- 時間がない日は10分を2〜3回に分けてもOK
こまめに体を動かすだけでも、
- 血のめぐりが良くなる
- 寝つきが整う
- 翌日の動き出しが軽くなる
といった変化が期待できます。
木下さんは

長くやるより、切らさないこと
とよく話します。冬は特に、この“小さく続ける”が効きます。
強さの上げ方はRPEと“先週比+10%以内”
RPE(主観的運動強度)は、0〜10で「どれくらいきついか」を表す指標です。
冬の再開は、RPE4〜6(ややラク〜ややきつい) が目安です。
ブランクがある時ほど、強度の急な増加は怪我につながりやすくなります。
安全に戻すなら、増やす量は【先週比+10%以内】におさえましょう。
かんたん換算例
- 先週5km → 今週5.5km
- スクワット30回 → 33回
- ジョグ20分 → 22分
木下さんは

単発のやりすぎがいちばん危ない
と話します。ゆっくり増やしていけば十分です。
木下流「3-3-1メソッド」

このメソッドは、A日(筋)→B日(有酸素)→C日(ミックス)→休を1セットにし、無理なく継続できるように組まれたサイクルです。
休みがズレても、A日から再開すれば自然とリズムが整います。
A日(筋)
- スクワット/ランジ/ヒップリフト
- 8〜12回×2〜3セット
B日(有酸素)
- 速歩〜軽ジョグ 25〜35分
- 時間が取れない日は10〜15分×2回でもOK
C日(ミックス)
- プランク 2分×2
- カーフレイズ 10〜15回×2
- ゆっくりめのジョギングまたはバイク 10〜15分
翌日に痛みがあれば、強度を1段階戻すのが安全です。

RPEは、家族やコーチとも共有できる“共通の言葉”。強さがそろうと、無理が減ります。
コーチ・保護者の支え方

冬の運動再開は、周囲の声かけや環境づくりが心強い支えになります。
見える化
- A/B/C/休の進行
- RPEと痛み(0〜10)の記録
これらを30秒つけるだけで、習慣化しやすくなります。
段階化
- 非接触 → 限定接触 → 全面
の順で戻すのが安全です。
声かけ
- 「今日はどのくらいの強さだった?」
- 「昨日より痛みは増えていない?」
といった言葉が、体の声を聞く手助けになります。
読み物メモ(小さな成功体験)
初詣の帰り道、家族で10分だけ歩き続けた選手が、三日目に「昨日より寝つきが良かった」と照れくさそうに話してくれました。
木下さんは「こういう小さな積み重ねが、冬は特に効く」と言います。
クイック・セルフチェック
(Yesなら1点)
- 3日以上の完全オフが続いていないか
- 先週比+10%以上の強度アップがないか
- ウォームアップを丁寧に行えたか
- 今日のRPEが4〜6だったか
Yesが2つ未満なら、一段階戻して問題ありません。
冬の再スタートを支える、“やさしい栄養の土台”
冬に運動を再開する時期は、体の動きだけでなく「栄養の入り方」もゆるやかに整えておくと、怪我の再発予防やコンディション維持がしやすくなります。ブランクがある日は、消化に負担をかけすぎない軽めの栄養が入るだけで、エネルギーの立ち上がりが安定しやすくなるためです。
そんな“再開初期の食事を整えたい”タイミングで役立つのが、食物繊維・ビタミン・たんぱく質をほどよく補える キュアレ《リセットスムージー》 のようなタイプ。朝や運動前後の一食を軽く置き換えるだけで、内臓の負担を抑えながら必要な栄養がとれ、冬特有のだるさや動きにくさの軽減に繋がります。
“いきなり完璧”ではなく、“戻れる土台をつくる”。
冬の再スタートに必要なのは、この小さな準備です。日々の体調と相談しながら取り入れられる、やわらかいサポートとしておすすめできる方法です。
RE:SET SMOOTHIESについて詳しく知りたい方はこちら


FAQ|冬の運動再開でよくある質問
- Q1. 冬に運動習慣が続かないのはなぜですか?
-
A. 気温の低さや日照時間の短さで、体が動きにくく感じるためです。年末年始は生活リズムも乱れやすく、やめやすい時期ですが、短い運動を積み重ねるだけでも習慣が戻りやすくなります。
- Q2. 冬にブランクができた後の運動再開は何から始めれば安全ですか?
-
A. その場で軽く足踏みするような軽い準備運動から入り、体を温めてから有酸素や筋トレに進むのが安心です。ブランクがあるほど、導入を丁寧にするほど再開しやすくなります。
- Q3. 再開するときの強度はどれくらいが適切ですか?
-
A. 先週比+10%以内が基本です。RPE4〜6を目安に、少しだけ増やすペースが冬の再開には合っています。
- Q4. 忙しい日は何をすれば“運動した”といえますか?
-
A. その場で軽く足踏み1分、10分散歩、股関節回しなど、短くても体が動いていれば習慣は維持できます。ゼロの日を作らないことが大切です。
まとめ|今日からの一歩
- カレンダーにA・B・C・休を先に書き込む
- 初日はその場で軽く足踏みする→股関節回し→速歩10〜15分
- 終わったらRPEと痛みを30秒で記録
- 迷ったら「先週比+10%以内」「3日空けない」を合図にする年末年始にできたブランクでも、運動習慣はゆっくり戻せます。
木下さんのまとめはとてもシンプルです。

完璧じゃなくていい。小さく、毎日寄せていく。それが一番強い。





































































































































