いよいよ年末。気温がぐっと下がり、スポーツやトレーニングに取り組む方々にとっては、体調管理と怪我の予防がより重要となる季節です。特に怪我を抱えた方にとっては、リハビリの質が年明けのコンディションを大きく左右するタイミングでもあります。
今回の対談では、運動の専門家の木下 幸司さんに、「12月に気をつけたい運動のポイント」について詳しくお話を伺いました。寒さによる筋肉の硬直や再発リスクへの対応、効果的なウォーミングアップ、有酸素運動や筋力トレーニングの進め方、さらにはお正月中に取り組める自宅エクササイズまで、具体的なアドバイスが満載です。
怪我からの復帰を目指すアスリートはもちろん、年末年始の運動習慣を見直したいすべての方にとって、ヒントになる内容が詰まっています。ぜひ最後までご覧ください。
12月の運動について


年末ですね。12月に入って、運動されている方にとっては、どちらかというと休みシーズンに入ってくる方が多いみたいなんですが、怪我している方にとっては、怪我人のための運動習慣が必要なので、しっかり取り組んでいただきたいところではあるんですけど。
特に運動の部分、12月に怪我している方に気をつけてあげられるポイントとかってありますか?
寒い時期は再発に注意

まず12月は気温が寒い時期にはなってくるので、当然、怪我している人がリハビリを進めていく中でも、夏場と比べて寒い時期になると筋肉も硬くなりますし、やっぱり動きづらくなる時期なんですね。
なので、再発というのが一番、順調にリハビリを進めているところで、ちょっとした不具合で、また再発・痛みが出たりとか、というところが出てくるので。
そこは細心の注意を払っていきながら、トレーニング・リハビリを進めていくのが、すごく大事になってくる時期ですね。

今日は、そういった一番寒い時期ならではのポイントというか、より復帰を早くするための方法について聞いていきたいと思います。
ウォーミングアップについて


特に年末年始に差し掛かり、今回は12月は年末ですけれども、この時期に習慣も変わってきたりする時期かなと思うんですよ。バタバタしたり、師走と言いますしね。
特にこの時期、復帰に向けてトレーニングされている方にとって、気を付けて欲しいこととか、注目したいポイントってありますか?

そうですね。
僕らトレーナー側から見ていくと、まずは4つあります。
体や筋肉を温めるためのウォーミングアップが大事

寒い時期、12月の時期にちょっとポイントになるところがあるかなと思うんですけれども。
まず1つ目は、やはり先ほど言ったように、寒い時期というところで、まずはしっかりウォーミングアップですね。
寒い時期なので、当然、体・筋肉をしっかり温めないと、再発のリスクが伴います。
なので、まずはしっかりウォーミングアップをしてほしいなというところになります。
ウォーミングアップも色々なものがあるんですけれども、寒い時期なので、まずは単純ですけれども、体を温めましょうというところで。
温めの仕方は、色々あるかなと思うんですけれども。
まずはゆっくり走るジョギングを行う(5~10分)

スポーツされている方で、グラウンドで外でというタイミングであれば、まずはジョギングというか、走るということで。
そんなに早くなくても全然いいので、ゆっくりなペースで、歩くよりちょっと速いかなというぐらいで、まずは5分~10分ぐらい、少しゆっくり走ってもらって、まずはしっかり体を温めていただく。
その後に、当然、筋肉・関節をしっかり伸ばしていく。
怪我予防という意味でも、伸ばしていく必要があるんですけれども、ストレッチっていうと、どんなストレッチがイメージですか?

ストレッチ、足を開いて、ぎゅーってイメージ。
ダイナミックストレッチ(動的ストレッチ)を行う

ですよね。ストレッチというのも大きく分けて2つありまして、20秒で伸ばしましょうみたいな形の、止めてやるようなスタティックストレッチ、静的ストレッチとも言うんですけれども、そういった方法と。
あとは、ダイナミックストレッチ、動的ストレッチって言うんですけれども、動かしながら、少しラジオ体操的な形のストレッチがあるんですね。
冬場は特に、ちょっと体を温めて、まず走って体を温めているのに、その後、じゃあゆっくりストレッチにしたら、体が冷えてしまう。せっかく温めた体が、結局冷えてしまうんです。
なので、少し温まったその後にやるストレッチとしては、やはり動きながらの、動的なストレッチをそのまま進めてもらって、温まった状態で、さらに柔らかくしてもらうという形の順番ですね。
その後、少し競技に合わせた動きであったり、というのを取り入れてもらうと、リスクが少ないかなと思うので。
まずはウォーミングアップをしっかりしましょうというところでは、温めて、動きながらストレッチをして、その競技に合わせた動きをしていくという順番が、ポイントだと思います。
負荷のかけ方について

負荷を増やす場合:前週より約10%アップ

次に2つ目ですね。
2つ目は、動きのトレーニングという意味では、負荷ですね。
単純に言うと、重さという形になると思うんですけれども、寒いが故に、さっきも何回も言ってますけど、怪我のリスクって考えると、例えば、いきなりドーンと負荷を上げてしまうと、そのような怪我のリスクにつながっていくので。
目安としては、大体1週間、ちょっと前の週より10%ぐらい。
例えば50kgぐらい持っているのであれば、10%の5kgアップですね。
スポーツ選手でいうと、スクワットとかベンチプレスとかいうのも、怪我の状態を見ながらリハビリで上げていくんですけれども。そういうのを、まずは10%ぐらいというところの割合を見ながら、少しずつ。
もし、それでしんどかったなら、下げたらいいと思うんですけれども、それ以上、負荷をいきなり上げると、やっぱりリスクが高いのかなと思いますので。
目安としては、10%ぐらいの負荷の増をしながら、1週間ごとに調整したらいいかなと思います。

その辺りは、専門家にちゃんとアドバイスしてもらいながら、というのが前提だと思うんですけど、負荷を上げないのも、あまり良くない?
負荷が低いままだと筋肉は成長しない

そうですね。もちろんリハビリという中では、元々やっていたところがゴールになるので、今はここだという状態で、ここまで持っていく中の、徐々に上げていくという考え方になります。
ずっと低いままだったら、結局、筋肉は成長していかないので。
元がここで、怪我して、ここになってしまった状態から上げていくっていう中の増減としては、そういう形の10%ぐらい、その辺を目処に上げていってもらったらいいかなと思います。

むしろ、焦って出来そうだなと言って、あまり上げすぎちゃうのも、よくないですね?

はい。そうですね。
その辺は、状態であったりとかを見ながら、やってもらいたいと思っています。
有酸素運動について


3つ目は、先程、負荷という重さで表したところではあったんですけれども、今度は少し有酸素能力とか、スタミナというところですね。
寒い時期で、少し体を温めるという意味もあるんですけれども、スポーツの中では力は大事です。
1週間で150分ぐらいの運動量を維持する

やっぱり動き続けるスタミナも大事なので、そこをしっかりと、また先ほどと同じように上げていく、元の状態に戻していくという中でも。
そうですね、1週間に2時間半、150分ぐらいの運動量というのが、やっぱり寒い時期であったりとか、あとは年末年始にかかる時期でも、ある程度維持しながら、動き続けられる体力、スタミナをしっかりつけてもらえるように。
ランニングや自転車漕ぎが有酸素運動としておすすめ

ランニングであったりとか、あと有酸素運動で良いのは自転車漕ぎであったりとか。
ちょっとプールは、なかなか冬場なので、行ける・行けないがあるかと思うんですけれども。
そういう形のランニングだったり、自転車だったりで、体力をしっかり元の状態に戻していくという意味では、1週間150分ぐらい、2時間半ぐらいですね。
トータル1週間で、その辺の運動量をしっかり持てるようにしてもらえたらいいかなと思います。

細切れにすると、どれぐらい分けても平気ですか?
時間を分ける場合、短くても20~30分で行う

もちろん、一日10分ずつだと短いと思いますので、やはり短くても20~30分ぐらい。10分ぐらいでは、あまりその辺の能力が上がってこないかなと思うので。
30分を何回か、という感じでしてもらえたらいいかなと思いますし、できそうだったら、1時間ぐらいの長さを取ってもらってもいいかなと思います。

そしたら、週に2回くらいを1時間ちょっとずつくらいの有酸素みたいなのが程よいかもしれないですね。
リハビリの考え方

体と向き合いながら、段階的に重さや運動量を少しずつ上げる

最終、4つ目としては、さっきの負荷であり、有酸素運動もそうですけれども、結構「段階的に」というのが一番、最終的にはリハビリとしては大事なので。
しっかり、その重さであったり、運動量というのを少しずつ、前の週よりちょっとずつ、ちょっとずつという形で。
いきなり、やっぱり無理し過ぎるというのはよくないので、そこはしっかりと、自分の体を見ながら、段階的に上げてもらうというのが、最終的に大事かなと思います。

むしろ、休ませるのはあまり良くないですか?
体を休ませるのは2日まで

この辺、結構難しいところにはなりますけれども、やっぱりアスリート、スポーツ選手なので。あまり休み過ぎても良くはないんですけど、休んで2日までですね。
3日休んでしまうと、ちょっとやっぱり体力や筋力を戻すのに、逆に落ちてしまって、そこを戻すのも、結構大変かなというところもあるので。
1日、2日の休みというのは、体を回復させるであったりとか、リフレッシュするという意味ではいいかなと思いますけど、やっぱり中3日あけてしまうと、4日目の時に、やっぱりちょっとしんどく思ってしまう部分があるので。
その辺は、しっかりまずは休むことは大事だけど、3日はやめてね、2日までにしてね、という形がわりとスポーツを見ている僕に関しては、それぐらいは言うこともあるんですけども。

全国大会を控えているところだと、年末年始でまだ慌ただしい時期なんですけど。
チームメイトが年末モードに入っちゃったりすると、1週間くらい休み、みたいな。

そうですね。
怪我をしていない選手たちは、シーズン中に体を酷使している分、この時期にしっかりリフレッシュするのは良いことだと思います。一度0の状態に戻してから、またスタートすればいいという考え方ですね。
一方で、リハビリ中の選手は、すでに「0以下」からのスタートなんです。ここで体を酷使してしまうと、さらにマイナスに振れてしまう可能性があります。
だからこそ、怪我をしていない選手とリハビリ中の選手では、過ごし方がまったく違うという意識が大切です。怪我をしていない選手はゆっくり休んで、その後またしっかり追い込めばいい。
でも、リハビリ中の選手はまず「0」に戻すこと、そしてそこから「プラス」に向かっていく途中にいるという自覚を持って、この時期を過ごしてほしいなと思います。

そういう意味では、もうちゃんと割り切って。
受験勉強をしている方は、今年はない、というのと同じで、向き合ってしっかりやると大正解に近づけるというふうに考えていくといいですね。
おすすめの怪我復帰メソッド


年末に向けて、他のメンバーとは少し違って、意欲的に取り組む姿勢はよく分かります。ただ、木下さんにあえて伺いたいのですが、怪我の回復状況や体の状態には、かなり個人差がありますよね。
そうした中でも、「これはベースとしておすすめできる」というような、怪我からの復帰に向けたメソッドや取り組み方があれば教えていただけますか?
もちろん、すべての人に当てはまるわけではないとは思いますが、参考になればと思いまして。
3+1の法則(3日トレーニング+1日オフ)

あまり休み過ぎるのは良くない。
しかも、やらないといけないというのがあるので、僕がある程度おすすめできるのは、3+1の法則メソッドという形がありまして。
まずは3日間、しっかりトレーニング・リハビリをしましょう。
当然、やり過ぎるのは、体に対して怪我されている方は負担がかかるので、しっかりリフレッシュ、リカバリーするという意味では、休みも必要になります。
3日トレーニングを頑張って、1日オフで休む。
また3日頑張って、1日休むという形で、3+1の流れで進めていただくと、しっかりと段階的にできるというところで、まずはパッケージになるかなと思います。

めっちゃ分かりやすいですね。
チームメイトと差をつけるメソッドですね。

その3日のトレーニングというのも、種類としては、スポーツ選手の筋力を鍛える筋力トレーニングと。
もう1個は、先ほど話した走ったり自転車を漕いだりという、スタミナ、つまり有酸素運動があります。
(1日目)筋力トレーニングで筋力を上げる

たとえば1日目は、筋力トレーニングに取り組んで、まずはしっかりと筋力を高めていきます。
(2日目)有酸素運動でスタミナをアップする

2日目に有酸素運動。
少し30分走るとか、1時間走るとか、という形でスタミナをアップして。
(3日目)ミックスしてトレーニングを行う

3日目は、筋力トレーニングと有酸素運動を組み合わせた“ミックストレーニング”を行います。負荷としては、1日目の筋力トレーニングよりもやや軽めに設定し、全体の半分〜3割減ほどに抑えるのが理想です。有酸素運動も同様に、無理のない範囲で半分程度を目安に取り入れ、バランスよく体を動かしていきます。
その後は1日しっかり休んでリフレッシュし、また1日目からの流れに戻る、というサイクルです。
筋力を鍛えることも大切ですが、それと同じくらいスタミナ(持久力)をつけることも重要です。仲間と同じように、しっかりと動き続けられる体をつくるためにも、日によって内容を切り替えながらトレーニングすることが効果的です。
このように、
1日目:筋力トレーニング
2日目:有酸素運動
3日目:両方をミックス
4日目:休養
という流れを繰り返す形は、私たちとしても非常におすすめのトレーニングサイクルです。
筋肉トレーニングについて


筋トレの部分なんですけれども、これも競技とか人によると思いますが、どんなようなものが特におすすめとかありますか?
基本は下半身が大事

もちろん、競技や怪我の種類によってトレーニング内容は異なります。たとえば、足首を痛めているのか、膝なのか、腰なのか、あるいは上半身の怪我なのかによって、取り組むべき種目や注意点も変わってきます。
ただ、どのスポーツにおいても共通して重要なのは下半身の強化です。その中でも特に、太ももや股関節まわりは要となる部分です。
代表的なトレーニングとしては、スクワットや、前に踏み込む動作のランジが挙げられます。また、お尻やもも裏を鍛えるエクササイズも欠かせません。前側ばかり鍛えると筋力バランスが崩れてしまうため、前と後ろの筋肉をバランスよく鍛えることが大切です。
たとえば、スクワットやランジで太ももの前を鍛えたら、ヒップリフト(お尻を持ち上げる動作)で、お尻やもも裏の筋肉も補強しましょう。こうした種目は、ジムに行かなくても自宅やグラウンドで手軽に行えるのもメリットです。
ちなみに「トレーニングのBIG3」と呼ばれる基本種目をご存知ですか?スクワット・ベンチプレス・デッドリフトの3つがそれに当たります。
その中でもスクワットは下半身の王道トレーニング。足首・膝・股関節といった複数の関節を同時に使う動作なので、どんなスポーツでも必要とされる基本中の基本です。
まずはこうした動きを、正しく継続して取り入れていくことが大切だと思います。

これは競技はもちろん差はありますけれども、年齢とかも関係なくですよね。

小学生であれ、中学生であれ、やれた方がいい動き、トレーニングになりますし。
小学生だからやれなくてもいいとか、逆に高校生になったらやらないといけない、というわけでもなくて、大人でももちろんそうですね。
どの年代でも、しっかり綺麗にできて越したことはない、というようなトレーニングになるかなと思います。
お正月中にできるエクササイズ3選
①スクワット

- 推奨回数10~15回(2~3セット)

それでは、お正月休み中に自宅でできるエクササイズを、今日は3つご紹介します。
まず1つ目はスクワットです。
スクワットは、太ももを鍛えるのに、すごく良いエクササイズになっています。
②ランジ

- 推奨回数10~20回(2~3セット)

ランジもスクワットと同じように、太ももを鍛える種目になります。
スクワットとの違いは、動きが伴うところですね。
前に一歩踏み込みながら動くので、バランス感覚であったりとか、より全身的な筋肉を使いながら行うエクササイズになります。
③ヒップリフト

- 推奨回数10~15回(2~3セット)

ヒップリフトは、お尻、あとはももの裏を鍛える種目になります。
スクワットやランジが太ももの前を鍛える種目になりますので、その反対側を、しっかり鍛えるというエクササイズになります。
冬のリハビリを支える足元サポートアイテム
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まとめ


この冬の時期を超えると、絶対に春シーズン、試合の時期が出てくるので。
やはり、その舞台で自分が活躍しているというのをイメージしながら、怪我して嫌なイメージをずっと持つよりも、やっぱりその舞台に自分が立つんだ、という目標を持った意識で進む方が、やりがいも頑張りも出てくるかなと思います。
この冬の寒い時期で、リハビリ生活、トレーニング生活はやりにくいとは思うんですが、そこをしっかり乗り越えてもらえたら、良い春を迎えられるんじゃないかなと思います。ぜひ、頑張ってもらいたいなと思います。

貴重なお話、ありがとうございました。

ありがとうございました。





































































































































