本記事は、理学療法士・岡田雄一郎さん(マシンピラティススタジオ主宰)の監修のもと、中高年でも無理なく始められる「冬の運動リセット習慣」をまとめています。

【監修者】理学療法士・岡田 雄一郎
延べ2万人以上の姿勢と動作を評価してきた理学療法士。
「正しく動く」ことを軸に、肩こり・腰痛・膝の痛みなどを姿勢から整える専門家。現在はピラティスを取り入れ、身体の使い方を再教育することで中高年の健康づくりをサポートしている。
冬の静けさの中で、体が出す小さなシグナル

冬の朝、冷たい空気を吸った瞬間にふと感じる「なんとなく重い」感覚。
背中が丸まり、呼吸が浅くなり、歩くスピードも気づかないうちに落ちていく——。
「太った気がする」という感覚の裏には、実は
正しく動けなくなり、体が本来の軽さを失いかけているサイン
が隠れています。
この小さな変化を冬のうちに整えておくことは、中高年にとって
- 日常の動きやすさ
- 春からの軽さ
- 疲れにくい体
- 痛みの予防
そして将来の健康に直結します。
理学療法士としての経験をもつ岡田さんとともに、初心者でも無理なく続く「冬の3分習慣」を紹介します。
1. 冬太りは「体重」ではなく“動きの重さ”の問題
冬になると太りやすいと言われますが、岡田さんが見てきたのは、体重よりも「動き」が変わることです。
冬は特に、

- 背中が丸くなる
- 骨盤が後ろに倒れやすい
- 呼吸が浅くなる
- 股関節が使えず、腰や肩が代わりに頑張る
- 歩くスピードが落ちる
といった“動きの重さ”が出やすくなります。
岡田さんはこう語ります。

体重は結果でしかありません。その前に“正しく動けなくなっている”んです。
つまり、冬太りの正体は
姿勢と動作の衰えという体のサイン。
このまま春を迎えると膝・腰の負担が増えるため、冬のうちに整えることが大切です。
2. 岡田さんが教える「正しく使う」ピラティスの考え方

ピラティスというと筋トレの一種のように感じる人も多いですが、岡田さんの考えるピラティスはまったく違います。
最も大切なのは、
どこの筋肉を使って動くかを再教育すること。
人は年齢を重ねるほどに「使いやすい筋肉ばかり使うクセ」が強くなります。
- 前ももに頼りきってしまう
- 腕だけで引っ張る
- 腰で頑張りすぎて痛みが出る
- 股関節が動かず、膝が代わりに動く
こうした“誤った使い方”は姿勢を崩し、疲れやすさ・痛み・体型のくずれにつながります。

正しい筋肉が働けば、無駄な力は自然と静かになります。その結果、体は絞られていきます。
つまりピラティスの引き締まりは、
努力ではなく、正しく使った結果として自然に起こるもの。
中高年の初心者にも最適な方法です。
3. 実は、冬は“整え効果”が出やすい季節

「冬は太る季節」と思われがちですが、整えるにはむしろ最適な時期です。
● 冬は代謝が上がりやすい
寒さで体温を保とうとするため、冬は基礎代謝が上がる季節。
軽い運動でも体が温まりやすく、姿勢改善の効果が定着しやすくなります。
● リズムが乱れやすい時期だからこそ効く
年末年始は行事や帰省で座る時間が増え、動きが鈍くなる時期。
だからこそ 「3分の整え習慣」 がてきめんに効きます。

忙しい人ほど、呼吸が深くなるだけで頭がスッと整理されます。
4. 今日からできる“ピラティス的3分リセット”(自宅OK)
ここからは、器具なしでできる岡田さん直伝の3分習慣。
痛みのない範囲で、自然な呼吸とともに行ってみてください。
① 骨盤を立てる(30秒)

椅子に浅く座り、腰に手を添え、骨盤を少しだけ前に起こす。
背中を反らさず丸めず、「積み木をひとつ立て直す」イメージで。
姿勢がふっと軽く感じられたら成功。
② くびれをつくる“吐く呼吸”(40秒)

肩を下げ、胸を軽く開き、鼻からゆっくり吸う。
吐くとき、肋骨がしぼむのを手で感じながら細く長く吐く。
内側の筋肉が働きやすくなり、冬の代謝スイッチが入りやすくなる。
③ 股関節で立ち上がる(30秒)

前ももではなく、お尻の付け根(坐骨)を軽く後ろへ引きながら立つ。
「足で立つ」から「股関節で立つ」へ意識を変えると膝の負担がぐんと減る。
④ 肩ではなく、背中で引く(40秒)

タオルを軽く引きながら、肩をすくめず背中の中央が働く感覚をつかむ。
肩こりの原因になる“肩だけで頑張るクセ”がリセットされる。
⑤ 背骨をゆらす(30秒)

座ったまま背骨を左右にゆらし、冬で固まりやすい背中・肋骨まわりをゆるめる。
呼吸がふっと深くなる。
5. 今日の3分が、10年後の体を変える

冬は「太る季節」ではなく
“整える季節”に変えられる。
岡田さんはこう語ります。

姿勢は一気に変わりません。でも、3分なら誰でも続けられます。
正しく動ける体かどうかが、
- 歩き方
- 疲れやすさ
- 姿勢
- 痛みの予防
- 健康寿命
すべてに影響します。
今日の3分が、来年の軽さも、10年後の未来も支えていきます。
冬の“動きの重さ”を軽くする、足元からのやさしいサポート
冬は姿勢が丸まりやすく、股関節やふくらはぎが働きにくくなるため、中高年ほど「歩き出しの重さ」や「立ち上がりのもたつき」が起こりやすくなります。ピラティス的な整え習慣と合わせて、見直しておきたいのが“足元のサポート”。体の土台となる足首・かかとまわりがゆるむだけで、動きの軽さがぐっと戻りやすくなるためです。
そこで取り入れやすいのが、かかとをやさしく支えて足首の角度を整える キュアレ《かかと枕サポーター》 のようなアイテム。硬くなりがちなふくらはぎの負担を和らげ、足首が正しい向きに戻りやすくなることで、姿勢の立ち上がりや歩き始めのスムーズさが変わります。
とくに中高年は、足元の崩れが姿勢や股関節の使い方に影響しやすいため、運動の「再スタート期」に取り入れることで、ピラティスの効果も感じやすくなります。「頑張る」よりも「整えて動ける体に戻す」——冬の運動リセットに合った、負担の少ないサポート方法です。
KAKATO MAKURA SUPPORTERについて詳しく知りたい方はこちら

FAQ(よくある質問)

- Q1. 中高年が冬に運動を始めるとき、まず何からすればいいですか?
-
体がこわばりやすい季節なので、いきなり運動量を増やすより、呼吸と姿勢の調整が安全で効果的です。骨盤を整え、肋骨をしぼる呼吸、股関節の動きをつくるなど、負担の少ない動きから始めるのがおすすめです。
- Q2. 冬太りを解消したいのですが、運動習慣が続きません。
-
「時間をつくる」のではなく、まずは3分だけ体を整える習慣を決めると続きます。姿勢と呼吸が整うと動きやすくなり、冬太りの予防にもつながります。
- Q3. 中高年がピラティスを始めても大丈夫?初心者でもできますか?
-
問題ありません。ピラティスは“正しく使う”ことが中心で、負荷に頼らないため、中高年の初心者ととても相性が良い方法です。痛みのない範囲で無理なく行いましょう。
- Q4. 正月太りを早く戻すにはどうすればいいですか?
-
食事を急に減らすより、姿勢・呼吸・股関節の動きなど「正しく動ける体」に戻すほうが効率的です。とくに吐く呼吸と股関節の立ち上がりは中高年の体を整え、正月太り対策にもなります。

冬はどうしても体が重く感じやすい季節ですが、決して悪い時期ではありません。毎日3分でも体を整えていくと、動きが軽くなり、気持ちも前向きになります。大切なのは“頑張る”よりも“続ける”。今の体を否定せず、今日できる小さな一歩を積み重ねてみてください。来年の春の軽さは、今の3分がつくります。





































































































































