本記事は、春先に増えやすい怪我や古傷の再発を防ぐため、40代以降の体の変化や動作の質に着目し、現場で多くの体を見てきた専門家・木下 幸司さんの視点をもとに構成しています。
ゴルフやランニングを長く楽しむために、「鍛える前に整える」という考え方をわかりやすくまとめました。

【監修者】アスレティックトレーナー・木下 幸司
学生アスリートを中心に、怪我からの復帰期サポートや、競技へ戻るための段階的トレーニングに精通する運動の専門家。冬場に起こりやすい“ブランク”や“痛みの再発”を防ぐ指導を得意とし、RPEを使った安全な強度調整や、無理なく運動習慣をつなぐ方法に詳しい。

やる気が出る季節こそ、少し立ち止まってほしい
日差しが暖かくなり、
「そろそろゴルフも本番だな」
「ランニングを再開しよう」
そんな前向きな気持ちが湧いてくる季節になりました。
この意欲は、とても大切なものです。
ただ、現場で多くの体を見ている立場から、ひとつだけお伝えしたいことがあります。
それは、春は一年の中でも怪我が起きやすい季節だということです。
気持ちはすでに動き出しているのに、体はまだ冬の状態を引きずっている。
このズレに気づかないまま動き出すことで、思わぬ怪我につながるケースが少なくありません。
なぜ40代以降の体は、春に壊れやすいのか

怪我をしたあと、多くの方がこう口にします。
「昔はこれくらい、準備運動なしでも平気だった」
実は、40代以降に起きる肉離れや腰痛の原因は、単純な筋力低下ではありません。
本当の原因は、頭の中にある体のイメージと、今の体の状態のズレにあります。
冬の間、体は次のような状態になりがちです。
- 運動量が減る
- 同じ姿勢で過ごす時間が増える
- 呼吸が浅くなり、無意識に体が緊張する
そこに春特有の寒暖差が加わり、自律神経も乱れやすくなります。
体はまだ準備が整っていないのに、気温と気分だけが先に春モードへ切り替わる。
この状態で動き出すことが、怪我の引き金になります。
ゴルフやランニングで起きやすい「負担の集中」
ゴルフのスイングやランニングの着地は、本来、全身が連動して衝撃を分散する動きです。
しかし、背骨や股関節が固まったままだと、その連動がうまくいきません。
すると、腰や太もも、膝など、特定の部位に負担が集中します。
その結果、ある瞬間に「ブチッ」と肉離れを起こしたり、腰痛が再発したりするのです。
本人は「今日は調子が良かった」と感じていることも多く、
このギャップが、春の怪我をより防ぎにくくしています。
「古傷」は、治ったあとが一番やっかい

40代以降の体で、特に注意したいのが古傷の存在です。
腰、膝、太ももなど、過去に痛めた経験がある部位はありませんか。
多くの方は、
「今は痛くないから大丈夫」
と考えがちですが、痛みが消えたからといって、動きが元通りになっているとは限りません。
実際には、
- 無意識にかばう動きが残っている
- フォームが少し崩れる
- 反対側に負担がかかる
といった状態が続いていることが少なくありません。
その結果、
「今回は別の場所を痛めた」
という形で、怪我を繰り返してしまうケースが多く見られます。
鍛える前にやるべきこと|「整える」という選択
春になると、「体を鍛えよう」と考える方が増えます。
ですが、その前に必要なのは、体を動ける状態に戻すことです。
現場では、状態を見て
「今日は鍛えない方がいいですね」
と判断することもあります。
やる気があるからこそ、止める判断が必要な日がある。
これは後退ではなく、怪我予防のための重要な選択です。

呼吸で、体のブレーキを外す
浅い呼吸が続いていると、体は常に緊張状態になります。
まずは、肋骨が広がるのを感じるような深い呼吸を意識してみてください。
呼吸が整うだけで、
- 体幹が安定しやすくなる
- 腰への負担が減る
- 動きの質が変わる
といった変化が起こります。
これは準備運動というより、体のスイッチを入れ直す作業です。
股関節と肩甲骨の動きを取り戻す
次に意識したいのが、股関節と肩甲骨です。
ここが固まったままだと、ゴルフやランニングの動きは成立しません。
・四つん這いで背骨をゆっくり動かす
・腕を大きく回し、肩甲骨を寄せたり広げたりする
「頑張る」のではなく、「スムーズさ」を取り戻す意識で行いましょう。
これが、動作の質を支える土台になります。
「休むこと」も、怪我予防の一部
40代以降になると、回復のスピードは確実に変わってきます。
質の高い睡眠は、大人の体にとって欠かせない回復時間です。
就寝中の姿勢や首・腰への負担を減らすことは、
翌日の動きを良くするための準備でもあります。
「休むこと」も、立派な怪我予防の一部です。
休む時間に「足元」から体を整える
日中のトレーニングやフォームだけでなく、
実は「足の状態」も、体全体のバランスに大きく関わっています。
足には、重力に対して体を安定させるための感覚センサーが多く集まっています。
このセンサーがうまく働かない状態が続くと、
腰や下半身だけでなく、上半身にも負担が波及することがあります。
かかと枕サポーター は、
足のバランスに着目し、重力の負荷が一部に集中しにくい状態をサポートするために開発されたアイテムです。
施術の現場でも使われてきた経験をもとに設計されています。
休む時間に足の環境を整えることで、
翌日の動きや体の軽さに違いを感じるケースもあります。
怪我を防ぐための準備として、
「足元から整える」という視点を持つことも、40代以降には大切になってきます。
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結論|止めてもらえることが、続ける力になる
春のゴルフやランニングは、人生を豊かにしてくれる習慣です。
だからこそ、一度の怪我で手放してほしくありません。
「今の自分の体は、どんな状態なのか」
それを自分以外の目で確認することには、大きな価値があります。
やる気をあおるのではなく、
必要なときに「今日はやめておきましょう」と言ってくれる存在。
それはブレーキではなく、長く続けるためのサポートです。
体調不良や痛みが続く場合は、医療やリハビリの専門職に相談することも検討してください。
整えること、休むこと。
その質を高めることで、40代以降の体はまだまだ現役です。
春のフィールドを、不安なく、気持ちよく楽しみましょう





















































































































































































