【専門家監修】ストレートネックの重症度を見極めるポイントと対処法

目次

ストレートネックとは? ― 頚椎のカーブが失われた状態

ストレートネックとは、首の骨(頚椎)が本来持っている緩やかな前弯カーブを失い、まっすぐになってしまった状態のことを指します。

本来、頚椎は30〜40度の前弯(前方向へのカーブ)を描いており、この構造があることで約5〜6kgある頭の重さを上手に分散し、身体全体のバランスを保つ役割を果たしています。

しかし、このカーブが失われてしまうと、頭の重さが首や肩にそのままのしかかり、筋肉や神経に直接的な負担がかかるようになります。

その結果として、以下のような不調が引き起こされやすくなります。

  • 慢性的な肩こり・首の痛み
  • 頭痛
  • 姿勢のゆがみ
  • 疲労感
  • めまいやふらつき

さらにカーブの消失は脊髄や自律神経の働きにも影響を与えるとされており、進行すると手足のしびれや吐き気など、より重い症状を伴うこともあります。

見た目には大きな変化がないため気づきにくいのですが、内部では首周りの筋肉や神経に着実に負担が蓄積されている状態なのです。

こうした状態が続くと、首だけでなく全身の不調へとつながってしまう恐れもあるため、早めのケアが重要です。

なぜ現代人にストレートネックが多いのか? ― スマホ・PC時代の“新・国民病”

肩、首こりを抱えている男性

現代は、スマートフォンやパソコンを長時間使用するのが当たり前の時代。
総務省の調査によると、平日のスマートフォン利用時間は平均73分以上

スマホは、動画視聴やSNS、チャット、ゲームなど集中して使うことが多いため、うつむいた姿勢が長時間続きやすいのが特徴です。この「前のめり姿勢」が、頚椎の自然なカーブを崩す最大の原因となっています。

さらに、うつむき姿勢によって首にかかる負担は想像以上です。

  • 頭の重さ:約5〜6kg(ボウリングの球と同程度)
  • 30度の前傾で首への負荷は約3倍
  • 45度になると約4倍にまで増加

このように、無意識のうちに首の筋肉に大きな負担をかけ続けていることで、ストレートネックのリスクは高まり、首だけでなく全身に不調が広がる原因にもなります。

だからこそ、スマホやPCを使う機会の多い現代人にとって、ストレートネックはまさに“新・国民病”とも言える状態なのです。

平日、スマホを見ている時間は平均73分!? あなたは何分?

平日の平均インターネット利用時間


総務省の調査によると、スマートフォンや携帯電話などのモバイル機器を使ったインターネット利用時間は、平日で1日あたり平均72.9分。これは平成30年度のデータですが、5年前と比べて約30分も増加しています。スマホを触る時間、知らず知らずのうちに増えていませんか?

放っておくと危険!ストレートネックの主な症状と進行段階

体調が悪い女性

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 軽度:肩こり・首こり
  • 中等度:頭痛・眼精疲労・集中力低下
  • 重度:手のしびれ・めまい・吐き気・自律神経の乱れ

ストレートネックは、初期には些細な不調でも、進行するにつれて日常生活に支障をきたす症状へと発展することがあります。ここでは症状の程度ごとに分類し、放置のリスクを明らかにします。

軽度:肩こり・首こり

初期段階では、首まわりや肩の筋肉に慢性的なこりや張りが生じます。これは、頚椎のカーブが失われたことで、頭の重さを支える負担が首や肩に集中するためです。筋肉の緊張が続くと血行が悪くなり、さらにコリが慢性化するという悪循環に陥ります。この段階では痛みが軽く、自覚症状も曖昧なため、見過ごされやすいのが特徴です。

中等度:頭痛・眼精疲労・集中力低下

症状が進むと、首の神経や血管に影響が出始め、頭痛や眼精疲労といった不調が現れます。また、脳への血流が滞ることで集中力の低下や思考力の鈍化を招くこともあります。これらの症状は「なんとなく体調が悪い」と片付けられがちですが、ストレートネックが根本原因となっているケースも少なくありません。

重度:手のしびれ・めまい・吐き気・自律神経の乱れ

さらに進行すると、首の神経圧迫が深刻化し、手足のしびれやめまい、吐き気などの神経症状が発生します。特に頚椎周辺の自律神経が影響を受けると、動悸や睡眠障害、体温調整の乱れといった全身的な症状が現れることもあります。ここまでくると日常生活に大きな支障が出るため、早急な専門的治療が必要です。

あなたは大丈夫?重症度が分かるセルフチェック【表付き】

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 項目チェックリスト形式(10項目程度)
  • チェック数に応じた重症度判定(軽度・中等度・重度)
  • 自宅でできる姿勢チェック方法の画像/説明

ストレートネックの進行度を把握する第一歩は、自分自身の状態を知ることです。この章では、日常の症状や姿勢に基づいて重症度をセルフチェックできるよう、簡単なチェックリストを用意しました。さらに、鏡や壁を使って自宅で簡単に行える姿勢確認法もご紹介します。

セルフチェックリスト:当てはまる項目に✔を入れましょう

チェック項目該当
首や肩が常に重く感じる
長時間のスマホ使用後に首が痛くなる
デスクワーク後に目の奥が疲れる
頭痛が週に2回以上ある
寝起きに首や肩のコリを強く感じる
姿勢が悪いと指摘される/自分でも自覚している
壁にかかと・お尻・背中をつけても、後頭部が自然に壁につかない
手や腕にしびれを感じたことがある
疲れてくると、めまいや吐き気が出ることがある
緊張しやすく、動悸や息苦しさが出やすい

結果判定:チェックの合計数で重症度を判定!

  • 0~2個:軽度
    → 現時点では日常生活に支障はありませんが、今後の悪化を防ぐために日常の姿勢改善や軽いストレッチを心がけましょう。
  • 3~6個:中等度
    → 自覚症状が出始めている段階です。セルフケアに加え、定期的なストレッチや枕の見直しなどの対策が必要です。
  • 7個以上:重度
    → 神経症状や自律神経の乱れが疑われます。一度、医療機関や整骨院での診察を受けることをおすすめします。

姿勢チェック法:壁を使ったかんたん確認

  1. 壁に背を向けて立ち、
     かかと・お尻・背中を壁につけます。
  2. その状態で「後頭部」が壁につかなければ、首が前方に出ている=ストレートネックの可能性大。
  3. つくけれど不自然に顎が上がる人も要注意です。首のアライメントが崩れているサインです。

重症化する前に知っておきたい5つの原因

体調が悪い男性

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • スマホの見すぎ(うつむき姿勢)
  • 長時間のデスクワーク・猫背
  • 枕の高さが合っていない
  • 運動不足・筋力低下
  • 生活習慣やストレス(自律神経)

ストレートネックは、日々の生活習慣や姿勢のクセが大きく関係しています。ここでは、重症化を招きやすい5つの主な原因を整理し、どのような対策が有効かを明確にします。原因を知れば、予防や改善の第一歩が踏み出せます。

スマホの見すぎ(うつむき姿勢)

スマートフォンを見るとき、多くの人が無意識に顔を下に向けます。この姿勢は首に過剰な負担をかけ、ストレートネックを引き起こす大きな要因です。特に長時間のうつむき姿勢が日常化すると、頚椎の自然なカーブが失われやすくなります。画面を見る位置を目線の高さに近づける意識が大切です。

長時間のデスクワーク・猫背

パソコン作業などの長時間の前傾姿勢は、肩や首まわりの筋肉に負担をかけるだけでなく、背中の丸まり=猫背を助長します。猫背になると自然と頭が前に出てしまい、ストレートネックを悪化させます。1時間に1回は立ち上がって軽くストレッチするなど、作業環境の見直しが予防の鍵です。

枕の高さが合っていない

睡眠時に使う枕の高さが合っていないと、首の角度が不自然なまま長時間固定され、首に負担がかかります。高すぎても低すぎても頚椎の自然な湾曲が保たれず、起床時に首や肩のこりを感じることがあります。仰向け時に首の後ろと枕がすき間なくフィットする高さや首の負担を軽減する枕が理想です。

運動不足・筋力低下

運動不足によって首や背中を支える筋肉が弱ると、姿勢が崩れやすくなります。特にインナーマッスルや体幹が弱まると、長時間の姿勢保持が難しくなり、首が前に出る悪習慣が根付きやすくなります。日常的に軽い筋トレやウォーキングを取り入れると、改善効果が期待できます。

生活習慣やストレス(自律神経)

ストレートネックは物理的な姿勢の問題だけでなく、精神的ストレスとも無関係ではありません。ストレスが蓄積すると自律神経が乱れ、筋肉の緊張状態が続いてしまいます。肩や首に力が入りやすくなり、慢性的なこりや痛みを助長する原因になります。リラックスする時間を持つことも大切です。

重症化を防ぐ!今すぐできる3つのセルフケア

3つのセルフケア

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • ストレッチ(例:タオルストレッチなど)
  • 姿勢改善法(壁立ちチェックなど)
  • 枕や作業環境の見直し

ストレートネックを重症化させないためには、日常生活の中で実践できるセルフケアが重要です。ここでは、特別な器具や通院を必要としない3つの方法を紹介します。取り入れやすく、継続しやすいケア法を選ぶことで、改善への第一歩を踏み出せます。

ストレッチ(例:タオルストレッチなど)

ストレッチは、凝り固まった首や肩の筋肉をゆるめ、血流を改善する効果があります。特に「タオルストレッチ」は簡単にできておすすめです。タオルを首の後ろにあて、両端を持ってゆっくり引くことで、自然なカーブを再現する動きができます。毎日の習慣にすることで、筋肉の柔軟性を維持しやすくなります。

姿勢改善法(壁立ちチェックなど)

正しい姿勢を保つためには、自分の立ち姿勢を意識することが大切です。「壁立ちチェック」はその確認方法のひとつで、後頭部・背中・お尻・かかとが壁につくかを確認します。どこか浮くようであれば、姿勢が崩れているサインです。日常的にこのチェックを行い、正しい姿勢を意識するだけでも予防効果が高まります。

枕や作業環境の見直し

睡眠や仕事の環境も、首の状態に大きな影響を与えます。枕は仰向け時に首のS字カーブを自然に保てる高さ・硬さのものを選びましょう。また、パソコンやスマホの画面はなるべく目線の高さに設置し、猫背にならないよう意識することが大切です。身近な環境から整えることが、根本的な改善につながります。

就寝中の首の負担を見直そう

ストレートネックの改善・予防には、日常生活での姿勢改善だけでなく、「寝ている間の首の負担軽減」が非常に重要です。特に就寝中は長時間にわたって首や肩に負荷がかかるため、自分に合った枕を使うことが症状の軽減に直結します。

そこでおすすめなのが、キュアレの「THE MAKURA」です。
「THE MAKURA」は、整体師や医療従事者との共同開発によって生まれた枕で、首の負担を軽減する設計が特徴です。特許取得の独自の三段構造により、首だけでなく肩・背中のラインまでしっかりサポートしてくれるため、ストレートネックによる負担を寝ている間にやさしくリセットしてくれます。

実際に使用した方からは、「朝起きたときの首の痛みが軽くなった」「肩こりや頭痛が和らいだ」といった声も多く、ストレートネックで悩んでいる方にこそ試してほしいアイテムです。

THE MAKURAについて詳しく知りたい方はこちら

「医師も推奨する枕」そのワケは……?

どんな治療法がある?整体・整骨・整形外科の選び方

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • 病院に行くべき症状とは?
  • 治療内容の違い(手技・物理療法・投薬など)
  • 信頼できる院の選び方ポイント

ストレートネックの重症度が高い場合、自己流のケアでは改善が難しく、専門機関での治療が必要です。しかし「整体」「整骨院」「整形外科」など、選択肢が多く迷う方も少なくありません。ここでは、それぞれの特徴と向いているケースを解説し、適切な受診先選びをサポートします。

病院に行くべき症状とは?

次のような症状がある場合は、まず整形外科などの病院を受診すべきです。

  • 手足のしびれや力の入りにくさ
  • めまい・吐き気・ふらつき
  • 慢性的な頭痛や自律神経の不調

これらは神経に関わる問題の可能性があるため、医師の診断と画像検査が不可欠です。自己判断せず、早めに専門医に相談しましょう。

治療内容の違い(手技・物理療法・投薬など)

治療機関によって、対応内容は以下のように異なります。

施設主な治療内容対象
整形外科レントゲン・MRI、薬の処方、リハビリ医学的診断が必要なケース
整体院手技による姿勢矯正、筋肉の調整慢性的なコリ・姿勢改善
整骨院柔道整復師による施術、電気・温熱療法外傷以外の軽~中程度の痛み

それぞれのアプローチには利点があり、症状や目的によって使い分けるのが効果的です。

信頼できる院の選び方ポイント

治療を受ける際は、信頼できる施設を選ぶことが重要です。以下のポイントをチェックしましょう。

  • 国家資格(柔道整復師、理学療法士など)の有無
  • 症状や原因について丁寧な説明があるか
  • 一方的な施術だけでなく、生活指導まであるか
  • 清潔感があり、口コミや評判が良いか

特に、通院が長期になることもあるため、通いやすさや対応の誠実さも重視すべき要素です。

実際の患者さんの声(改善事例・施術前後の変化など)

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • ストレートネック改善に成功した事例紹介
  • 施術前と施術後の変化や感想
  • 読者の共感を得られる実例で信頼感をアップ

実際に治療を受けた人の声は、悩んでいる方にとって大きな参考になります。ここでは、仮想のケースをもとに改善プロセスを紹介し、症状の変化や感想をリアルに伝えます。自分に重ねてイメージできる事例があると、行動に移す後押しにもなります。

【事例①:30代女性・デスクワーク中心】

症状: 首こり・頭痛・集中力の低下
施術前: 「午後になると頭が重く、仕事に支障が出るほど。整形外科では異常なしと言われ困っていました」
施術内容: 姿勢矯正・タオルストレッチ指導・枕の見直し
改善後: 「2か月ほど通院したところ、朝起きたときの首のだるさが激減。頭痛も明らかに減り、仕事中の集中力が戻りました」


【事例②:40代男性・営業職で運転多め】

症状: 肩こり・手のしびれ・猫背姿勢
施術前: 「運転やスマホで前かがみの姿勢が続き、左手がしびれるように。整骨院へ行く決断をしました」
施術内容: 手技療法・電気治療・ストレッチ
改善後: 「週1回の通院を3か月続けたところ、しびれがなくなり、背筋も意識できるように。日常動作がかなり楽になりました」


【事例③:高校生・姿勢の悪さを指摘されて来院】

症状: 首のだるさ・猫背・目の疲れ
施術前: 「授業中に姿勢が悪いと先生に指摘され、自分でも首が重いと感じていました」
施術内容: 姿勢トレーニング・家庭での姿勢チェック指導
改善後: 「正しい姿勢のコツを学び、毎日の意識が変わりました。目の疲れも軽くなり、親にも姿勢が良くなったと褒められました」

よくある質問(Q&A)

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。

  • ストレートネックに関して多く寄せられる疑問への回答
  • 治療の必要性や医療機関の選び方
  • 子どもや学生でも発症するのか?といった素朴な不安の解消
Q
自然に治る?放置しても大丈夫?
A

軽度であれば生活習慣の見直しやセルフケアで改善が見込めますが、基本的に自然に完全に治ることは少ないです。放置すると慢性的な不調や神経症状に発展する可能性もあるため、早期の対処が重要です。

Q
整骨院と整形外科、どっちが正解?
A

症状が軽度〜中等度であれば整骨院などの手技療法でも効果が期待できます。一方、しびれやめまいなど神経症状がある場合は、まず整形外科での検査を受けるのが望ましいです。状態に応じて使い分けましょう。

Q
子どもや学生でもなる?
A

はい、近年はスマホやゲーム機の長時間使用によって、10代でもストレートネックになるケースが増えています。成長期は姿勢が崩れやすく影響が大きいため、早めのケアが大切です。

まとめ|セルフチェックから見えたあなたの状態と今すぐできること

ストレートネックは、軽度のうちに適切な対処をすることで重症化を防ぐことができます。
本記事で紹介した重症度の目安セルフチェック方法を活用し、少しでも異変を感じたら早めの対処を心がけましょう。

日常生活での姿勢改善、ストレッチ、運動習慣など、首への負担を減らす取り組みを意識することで、ストレートネックによる不快な症状の予防や改善が期待できます。慢性的な首・肩の不調に悩まされない生活を手に入れるために、今すぐできることから始めてみてください。

この記事を監修した人

塚本 幸規 塚本 幸規 株式会社キュアレ
取締役/整体師

美しく健やかに体を整えるためのアイテムを取り揃えたCURE:REのマーケティング、PRを担当。20年以上にわたる整体師としての経験から様々な不調を抱えるクライアントをサポート。リピート率90%の店舗作りを手掛け、そのノウハウを治療院、エステサロンへ伝授。医療グループ商品開発部門の取締役として、地域医療と個人サロンが連携して顧客をサポートできる仕組み作りをしている。

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