【睡眠の専門家監修】試験前の徹夜はNG!睡眠で脳の力を最大化しよう

秋の訪れとともに、試験シーズンが本格化する10月。
宅建や建築士、保育士など、国家資格・各種資格試験に向けて、まさに“ラストスパート”の時期を迎えている方も多いのではないでしょうか。

しかし、この時期によく耳にするのが「睡眠を削って勉強している」という声。
努力は尊いものの、睡眠不足が続くと脳のコンディションが落ち、せっかくの学習効果や当日の集中力を発揮できなくなる危険もあります!

今回の対談では、オルソスリープアカデミー代表の矢野 達人さんが、「10月の睡眠」をテーマに、試験期に起こりやすい睡眠リズムの乱れや、パフォーマンスを高めるための“整え方”について語り合いました。

試験勉強中の方はもちろん、受験を支えるご家族にも知ってほしい——
この時期を乗り越えるための「睡眠と集中力の整え方」をお届けします。

目次

10月の睡眠について

矢野さん、今日もよろしくお願いします。

お願いします。

今、10月の話題ということでお話を進めていますが、特に10月の時期の睡眠について伺いたいと思います。

少しテーマが絞られますが、この時期、頑張っている方が多いという話を聞きました。

秋は資格試験が目白押し

10月って実は国家試験などの資格試験が、10月から11月初旬にかけて集中しているんです。

例えば宅建の資格や建築士、保育士などもそうですし、調べると他にもいろいろ出てくると思います。

そうした資格取得に向けて「今、追い込んで勉強しています」という話をよく耳にします。

試験前後の睡眠が乱れる

そういう方の睡眠状況を聞いてみると、とにかく睡眠を削ってでも詰め込んで、試験に受かるために頑張っている方が多いんですね。

試験前の睡眠も意図的に乱れてしまいますし、終わってからもしばらくその影響を引きずってしまうという話が多いです。実際、そういう方にアドバイスする機会も多くて。

たとえば、不動産系の会社では「社員は宅建を全員取得しましょう」と推奨しているところもあります。

スキルアップという意味では、宅建に限らずいろんな資格が推奨されていますよね。

資格試験の時期は体調を崩しやすい

そうですね。業務上の必要もあって、社員全体で勉強に取り組むことになりますが、その時期に体調を崩す方が多いんです。

「もっと早くから知って準備しておけば、試験本番もそうですし、その前後の仕事のパフォーマンスも最小限の影響で済んだのに」というケースをたくさん見てきました。

だから、来年以降もまた同じように試験を受ける方が出てくると思うので、そういう方には「最初からしっかり準備していきましょうね」と伝えるようにしています。

ご覧になっている方の中にも、まさに試験勉強の真っ最中という方もいらっしゃるかもしれませんね。

国家資格に限らず、学生さんが頑張っているケースもあれば、さきほどのように社会人で努力している方もいますし、応援しているご家族や奥さんなど、身近にそうした方がいるという人も多いかもしれませんね。

寝不足の勉強は逆効果!気をつけたいポイント

この時期、気をつけておきたいポイントには、どんなことがありますか?

そうですね。言わずもがな、皆さんわかっているとは思いますが、試験直前になると「とにかく詰め込みたい」と思って、睡眠時間を削ってしまう方が多いですよね。
徹夜で勉強するという方もよく見かけます。

勉強したことの定着には睡眠が必要

でも、勉強したことを脳に定着させるためには、結局は睡眠が必要なんです。
せっかく一生懸命勉強したのに、睡眠時間を削ったせいで脳に定着しないとなると、本当にもったいないですよね。

睡眠時間を事前に計画に入れる

だからこそ、睡眠時間は計画の中に組み込むべきです。

「何時から何時まで寝る」と決めて、そこから逆算して勉強時間や、遊びに行く時間、あるいはダラダラしている時間を削って勉強に充てる。

睡眠はしっかり固定するというのが、大前提になってくると思います。

試験での集中力を高めるためには?

プラス、僕が普段パフォーマンスを高めるためにお伝えしているのが、「その試験の時間帯は何時ごろですか?」とお聞きすることです。

「だいたい○時くらいです」と分かっているなら、その時間に集中力を最大限高めておく必要があります。

たとえば「お昼の2時から4時です」と言われたら、それって生理的に眠たくなる時間帯なんですよ。何の対策もしないままだと、脳のパフォーマンスは確実に下がります。

仮眠や呼吸瞑想を取り入れることで試験時間の集中力を高める

でも、たとえば1時や1時半くらいにちょっとした仮眠を取るとか、目を閉じて呼吸を整える「呼吸瞑想」と呼ばれる技術を取り入れて、「2時から4時は集中の時間」と体にリズムを作り込んでおく。

そうすれば当日も「あと1時間後に試験だ」「30分前になった、よし目を閉じて呼吸を整えて本番だ」と、いつものリズムで臨めるんです。

でもこれが、スケジュールがバラバラだったり、「眠くなるまで勉強しよう」とかしていると、昨日は何時に寝たけど今日は何時までできた……みたいにぐちゃぐちゃになりますよね。

睡眠を固定しないと体内時計が安定しない

そうなると、体内時計が安定しないので、当然パフォーマンスも安定しないんです。
試験の結果にも影響が出ますし、試験が終わった後も体内時計を戻すのに苦労します。

だったら最初から固定してリズムを作っておいた方が、あとにも影響しません。
そういうアドバイスをしていますね。

「学習計画+睡眠」で計画を立てる

学習計画を立てるというのは昔からよく言われていますが、それを100%やり切れるかというと難しいですよね。

ただ、今はそこに「睡眠」を前提にして計画するというのが大事だということですね。

そうですね。もちろん、勉強する量を削ってしまったら、いくら睡眠を取ってもその分以上に賢くなれるわけではありません。

極端な話ですが、徹夜で勉強して試験を迎えた人と、何も勉強せずに良質な睡眠だけ取った人だったら、やっぱり徹夜した人の方が点数は取れますよ。
勉強していない人は、ただ寝ているだけですから。

勉強時間と睡眠時間のバランスを取る

だからこそ、やっぱり勉強時間と睡眠時間のバランスを取ること、計画性を持つことが必要です。「寝ればなんとかなる」と誤解しないようにしてほしいですね。

睡眠不足は脳のコンディションが低下する

前日までの睡眠状態が悪いことで、試験当日のパフォーマンスが発揮できなかったというような具体例ってありますか?

それは本当によくある話ですね。
試験中に眠たくなってしまって集中力が続かないとか、考えてもなかなか答えが出てこないとか。それって脳のコンディションが落ちている証拠なんです。

もちろん勉強不足という側面もありますが、脳が身体を動かす・記憶する・考える、すべての中心ですから、脳の状態によって結果は大きく変わってきます。

あらゆる場面で、満足のいく動きや回答ができなかったというのは、コンディションの低下と勉強不足・練習不足の両方が原因です。

でも、もし勉強不足や練習不足があったとしても、そこにさらに「睡眠不足」まで加わったら、より最悪な結果になりますよね。

せめて、「自分はこれだけはやったんだ」という部分を発揮するためには、当日の脳のコンディションを良い状態にしておかないといけません。

それすらも下げてしまうのが、睡眠不足による脳のコンディション低下なので、自分自身を客観的に見つめてほしいと思います。

プロ選手も寝不足で成績が低迷する

以前、ちょっと違う場面で伺ったんですが、深夜までスマホゲームをしていたクラブチームがあったという話を思い出しました。

ありますね。
有名なのは、サッカーのドイツ代表です。

ワールドカップで優勝した翌年から成績がどんどん下がって、最終的には予選落ちもして、日本にも負けてしまった。

あれはかなり前の話ですが、当時ドイツ代表がどう過ごしていたかというと、宿舎のホテルで夜中までみんなでゲームをして盛り上がっていたんです。

そこで、ドイツのサッカー協会がホテルの電気を切ったという話があります。

最初から「夜はゲームができないように」対策をしたというニュースがありました。
「早く寝ろ」ということですよね。

トップレベルの選手たちでも、睡眠のサイクルが乱れるだけで全然勝てなくなってしまう。まさに良い例ですね。

そうですね。もちろん、ワールドカップという大舞台でそういうことをしていたというのは、選手たちの「油断」が一番のミスだったと思います。「この相手なら勝てるだろう」と油断した結果ですね。

これは勉強にも同じことが言えると思います。

「たぶん受かるだろう」と油断すること自体を避けるべきですし、そこにゲームや夜更かしが加わって、脳のコンディションまで下がったら、より一層負ける可能性が高くなります。

ドイツ代表は、負けるべくして負けたという印象を僕は持っていますね。

習慣化するにはどれくらい期間が必要?

どれくらい前から習慣化しておくと、睡眠も含めたリズムとしては一番おすすめなんでしょうか?

最短4日間(ストイックに実施した場合)

最短で言えば、ものすごくストイックにきっちりやれば、4日間です。

4日はかかるんですね。

一般の方は1週間かかる

普通の方、つまり一般的にそこまでストイックにできない方の場合は、最低でも1週間はかかると思ってください。

また、「やってもやらなくてもいいかな」という感覚の人たちであれば、3週間くらいかけて徐々にそのリズムに乗っていく感じですね。

ほぼ1か月くらいかかると思っておいてもらった方が安全です。

ただ、さっきも言ったように、毎朝何時に起きる・何時に食べる・何時にこれをする、といったことをギチギチに決めて4日間やって、それを30日間続けろと言われたら、逆にノイローゼのようになってしまいますし、絶対にできない日が出てくる。

そうすると「やっちまった」「できなかった」とメンタルを崩してしまう。これは逆効果とも言われています。

1週間のうち最低4日以上は決めたことができるようにする

だから、1週間7日あるうちの最低4日以上は、決めたことをちゃんと実行できるようにしましょう。

それであれば過半数を満たせますから。

逆に「7日中2日しかできませんでした」では、もはや軸でも何でもありません。

最低でも週4日は決めた通りにする。
これを続けていけば、たとえば14日間で8日間、というように、1か月あるうちの3週間分くらいは計画通りに過ごしていれば、徐々に自分の中に軸ができてくるイメージです。

なるほど。
働いている方であれば、試験時間に毎日ピタッと合わせるのは難しいですが、休みの日に集中する時間帯を意図的に調整してみるとか、仕事のある日は少しでもそれに近づけるようなやり方があるということですね。

短時間で効果が得られる方法

目を閉じて一瞬深呼吸するだけでも効果がある

「仮眠を取ってください」と言われるとハードルが高いかもしれませんが、たとえば試験時間に合わせて、ちょっと目を閉じて一瞬だけ深呼吸をして、その後に集中する──それだけでも効果はあります。

もちろん仮眠に比べれば劣りますが、何もしないよりは絶対に良いんです。

その資格が国家資格であれ民間資格であれ、もし周りが理解してくれるなら、
「この時間に試験があるので、ちょっと休憩時間をずらさせてもらってもいいですか?」という交渉もできると思います。

「1分だけ瞑想させてもらってもいいですか?」と言えば、
「いいよ、そういうのって大事だよね」と、理解を得られるかもしれません。

ただ、例えばレジに並んでいる最中に突然目を閉じ始めると、それは周囲に迷惑になりますから(笑)

やる場所と状況はきちんとわきまえた上で、自分が達成したいことがあるなら、周囲を巻き込んで調整していくことも大事だと思います。

オルソスリープアカデミーについて

矢野さんが主催されているアカデミーでは、睡眠の常識や科学的な知識だけでなく、スケジュールの立て方のような実践的な内容も教えていらっしゃるんですよね?

そうですね。
自分自身の「勝ち方」、いわゆる勝ちパターンをつくっていくという考え方を大事にしています。

特に10月のような試験が集中する時期には、長期的な調整も必要になりますけど、最短では1週間、あるいは4日間からでも整えられるということですから、なんとかコンディションを整えたいという方は、ぜひお問い合わせいただきたいですね。

はい。
スパルタな「4日間集中コース」みたいなものもありますので、短期間で整えたいという方にも対応しています。

もちろん、試験に受かる保証はできませんが、コンディションを整えるサポートはできるということですね。

まとめ:試験合格のために睡眠を整えよう

そして、ご家族に試験を頑張っている方がいらっしゃる場合も、応援の気持ちとして「もうこの時期からは、睡眠を大事にして整えていこうね」とアドバイスしてあげるのも、一つの優しさかもしれませんね。

家族の理解って、本当に大切なんです。
たとえば「いつもは一緒の部屋で寝ているけど、試験の1週間前からは寝室を分けて静かな環境を作ってあげる」とか。そういったことも、受験者にとっては大きなサポートになると思います。

試験が控えている方、そしてそうした方が身近にいらっしゃる方には、ぜひ今回のお話を参考にしていただければと思います。今日もありがとうございました。

ありがとうございました。

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「医師も推奨する枕」そのワケは……?

この記事を監修した人

⚪︎⚪︎のアバター 矢野 達人 一般社団法人
オルソスリープアカデミー

睡眠サロンや睡眠クリニック、睡眠旅館などを運営、寝具の製造販売や睡眠セミナーなど、睡眠に関わるあらゆることに取り組んできた睡眠のプロ。サロンでは約2万人の睡眠をサポートしてきた。現在はニックリトルヘイルズ氏と正式に契約し、アスリートに向けた睡眠指導も本格化。「日本人の睡眠の価値観を変える」というミッションを掲げて活動中。

⚪︎⚪︎のアバター 塚本 幸規 株式会社キュアレ
取締役/整体師

美しく健やかに体を整えるためのアイテムを取り揃えたCURE:REのマーケティング、PRを担当。20年以上にわたる整体師としての経験から様々な不調を抱えるクライアントをサポート。リピート率90%の店舗作りを手掛け、そのノウハウを治療院、エステサロンへ伝授。医療グループ商品開発部門の取締役として、地域医療と個人サロンが連携して顧客をサポートできる仕組み作りをしている。

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