本記事は、冬の寒さや厚着によって起こりやすい姿勢の崩れや呼吸の浅さに着目し、体の構造と動きの関係を専門的な視点から整理しています。
デスクワーク中の集中力低下や冬特有の不調を防ぐために、胸郭の動きを取り戻す考え方とケア方法をまとめました。

【監修者】理学療法士・岡田 雄一郎
延べ2万人以上の姿勢と動作を評価してきた理学療法士。
「正しく動く」ことを軸に、肩こり・腰痛・膝の痛みなどを姿勢から整える専門家。現在はピラティスを取り入れ、身体の使い方を再教育することで中高年の健康づくりをサポートしている。
冬のデスクワーク、頭がボーッとしませんか

「最近、しっかり寝ても疲れが取れない」
「オフィスにいると、目が霞んで集中できない」
「夕方になると、足のむくみがいつもより酷い気がする」
もし、こうした感覚に心当たりがあるなら、
それは単なる疲労ではなく、冬特有の姿勢の崩れによる酸素不足が関係しているかもしれません。
重いコートや首元のマフラー、寒さから身を守ろうと無意識にすくめた肩。
そこにデスクワークや長時間の立ち仕事が重なることで、体は縮こまり、呼吸をするためのスペースを失っていきます。
この状態が続くことで起こるのが、いわゆる「隠れ酸欠」です。
なぜ、冬は「呼吸」が浅くなるのか

寒さを感じると、人は自然と肩をすくめ、脇を締めて体温を逃がさないようにします。
さらに、冬特有の寒暖差や年末年始の忙しさによるストレスも、自律神経を緊張させ、呼吸を浅くする要因になります。
このとき、肋骨で構成された胸郭のまわりの筋肉がギュッと固まりやすくなります。
本来、呼吸は肺が勝手に動くのではなく、
胸郭が風船のように広がったり、しぼんだりすることで行われます。
しかし、厚着による外側からの圧迫に加え、前かがみ姿勢が続くことで、
肺が膨らむための物理的なスペースが潰されてしまいます。
これが、冬に起こりやすい「呼吸が浅い状態」、
つまり「隠れ酸欠」の正体です。
酸素不足が招く、冬の不調サイン
呼吸が浅くなり、体に取り込まれる酸素が不足すると、体はさまざまなサインを出します。
- デスクワーク中の集中力低下や、頭がぼんやりする感覚
- 目の霞みや、ミスが増えたと感じる状態
- 血流が滞ることによる冷えや、夕方のむくみ
- 理由のはっきりしない気分の落ち込みや不安感
姿勢を整えることは、見た目を良くするためだけのものではありません。
呼吸を整えることは、脳の働きと心の余裕を取り戻すためのメンテナンスでもあります。
デスクで30秒。「ちょこちょこケア」で胸郭を解放する

冬の体に必要なのは、頑張るケアではありません。
固まりやすい体を、その都度ゆるめてあげる「ちょこちょこケア」が大切です。
リブ・オープナー(肋骨広げ)
椅子に座り、片手を後頭部に添えます。
反対の手で、脇腹あたりの肋骨にそっと触れます。
息を吸いながら、肘を天井方向に引き上げ、
肋骨の隙間がアコーディオンのように広がるのを感じます。
このとき、「広げなきゃ」と頑張りすぎず、
首や肩の力は抜いて、リラックスして行いましょう。
息を吐きながら、ゆっくり元の姿勢に戻します。
左右それぞれ3回ずつで十分です。
仕事の合間はもちろん、
- 食事の前(内臓のスペースを作るため)
- 帰宅してコートを脱いだ直後
など、思い出したタイミングで行うのがおすすめです。
冬こそ大切な「頑張りすぎない」整え方
ジムでしっかり運動することや、マッサージで筋肉をほぐすことも悪くはありません。
ただ、呼吸が浅いままでは、体はまたすぐに固まってしまいます。
冬の体を守るために大切なのは、
正しい骨格ポジションで、自然に深く呼吸ができる状態を何度も作ってあげること。
一度に頑張るのではなく、
日常の中でこまめにリセットする。
それが、冬の肩こりや集中力低下を防ぐ近道になります。
体調不良が続く場合や、強い違和感がある場合は、
医療やリハビリの専門職に相談することも検討してください。
座り姿勢を整えて、呼吸のスペースを作る
呼吸のしやすさは、胸や肩だけでなく、
実は骨盤の位置とも深く関係しています。
座っている時間が長くなる冬は、
骨盤が後ろに倒れやすく、その影響で背中が丸まり、
胸郭の動きが制限されやすくなります。
おしり枕 は、
骨盤と太ももをフリーに近い状態にし、
無理なく姿勢が立ちやすい環境を作ることを目的としたアイテムです。
姿勢が整うことで、胸郭内のスペースが確保され、
呼吸が入りやすくなるケースもあります。
姿勢を「正そう」と意識するのではなく、
自然と整いやすい環境を作る。
それが、冬の「ちょこちょこケア」を続けるコツのひとつです。
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まとめ|呼吸が整うと、仕事の質も変わる

冬の「隠れ酸欠」は、自覚しにくい不調のひとつです。
ですが、胸郭の動きを取り戻し、呼吸が変わることで、
体の軽さや頭のクリアさを実感する方も少なくありません。
忙しい冬こそ、
頑張りすぎず、ちょこちょこ整える。
その積み重ねが、デスクワークの集中力や仕事のパフォーマンスを支えてくれます。
私たちキュアレでは、
医療系国家資格(理学療法士)を持つスタッフが、解剖学に基づいた視点で、一人ひとりの「呼吸の癖」や体の使い方を丁寧に確認し、体の状態を整理するサポートを行っています。
呼吸が浅くなる原因は、人それぞれ少しずつ異なります。
自己流のケアでは気づきにくい部分も、専門的な視点から整理することで、体の使い方を見直すきっかけになることがあります。
今感じている不調や違和感が、
どこから来ているものなのか。
どう向き合っていくのがよいのか。
そうした点を考えるひとつの参考として、専門家の視点を役立てていただければと思います。
「今年の疲れは今年のうちに」。
深く息ができる感覚を取り戻すことが、日々の過ごしやすさにつながることもあります。





















































































































































































