寒い季節になると、いくら寝ても疲労が取れない・なんだか寝つきが悪くなった・睡眠の質が下がったと感じる方は多いのではないでしょうか?実は冬の睡眠の質に満足していない人が6割以上います。
どうしても日照時間が短い冬は、セロトニンの分泌量が減るため、他の季節に比べると深い眠りにつきにくくなります。
そこで本日は、「睡眠のプロ」から直接「寒い冬でも快眠できるテクニック」をお聞きしました。
是非、参考にしてみてください。
対談にご協力いただいたのは睡眠の専門家である「矢野達人」さん。 睡眠コーチとして個人の睡眠指導から法人にて事故防止のための睡眠講習やパフォーマンス向上のための睡眠の指導をされています。 サッカーチームメンバーの睡眠マネジメントを行うプログラムを行い、チームのパフォーマンスアップにも貢献されている先生です。
この対談動画では、そんな睡眠の専門家の知識と経験をもとに睡眠の質を高める方法や、効果的な休息の取り方についてご紹介しております。
2月に気をつけたい睡眠トラブル
「やはり2月って冬の中でもピークというか1番寒いじゃないですか。やっぱり寒さって睡眠にすごく影響するんですよ。
今1番分かりやすいのは、寒さゆえに血流が悪くなって、それによる睡眠の低下だとか。あとはそれを防ごうとして、皆さん防寒するじゃないですか、その防寒がちょっと間違ってるというか。それがゆえに睡眠の質を下げてしまっているっというケースも多いんです。
やっぱりお日様が出てる時間が短いっていうところが体内時計、人間の体のリズムがこう乱れやすい原因になったりとかそういう色んな理由で2月の冬っていうのは睡眠が乱れやすい季節だと言われていますね。」
「例えば、服の着方が悪いとどどうなっていく感じですか?」
「そうですね、例えば寒い時って温かくしたいじゃないですか。温かくしたいんで、所謂ヒートインナーみたいな服だったり、モコモコパジャマだったり、靴下履いたりとか兎に角寒くないように、寒くないようにして寝る方が多いと思うんですけど」
「下手したら電気毛布をずっと使っていたり…」
「そうですね。実は睡眠中って体の深部の体温を下げなきゃいけないんですよね。熟睡するために。
じゃあ、どうすれば体温下げれるのかっていうと「放熱ですね」手とか足とか末端から熱を逃がさないといけないのに熱を逃がさないぞっていう服を着て寝る方がやはり多いので
そういった間違いというか誤解から逆効果で睡眠を悪くしてしまってる人は多いと思います。」
実は、寝る環境は温めすぎるのもNG
「あの、そうなると冷えが大事なんですか?」
「まあ、ある意味冷えが大事と言えるんですけど、そういった寒さとか暑さとかってやっぱり人間の体にとっては刺激じゃないですか。そういう寒さではなくて自然と体温が下がる、自然現象というようにしむけてあげることがいい睡眠によっては必要だということですね。」
「なるほど、寒さ対策は意外と意識しないと改善できないようなこともありそうですね。」
「そうですね、やはり正しい知識を得ていただかなくてはいけないなと思います。」
「分かりました。2月は色々な対策がありますが、特に矢野さんのオススメで気をつけたいポイントは何がありますか?」
「テクニック的なものは、やはりベタではありますけどお風呂に入るって、めっちゃ良いんですよ。めちゃくちゃ大事です!」
睡眠の質を高める「入浴法」
「実は人間の体は体温が上がると下げようとするし、下がると上げようとするという本能というか、ホメオスタシスという機能があります。
だから寝る前にあえてしっかりお風呂に入って体温を上げることで、お風呂上がりから寝るまでの間にクールダウンし、下がっていく機能を利用して入眠に入っていく方がより深い睡眠に入れると言われています。
ポイントとしては、ちゃんと末端抹消までしっかり温まるぐらいの温度を意識する。
さっき言ってたみたいに暑いと刺激になっちゃうので「ややぬるいな」と感じるぐらいの温度で10分〜15分・時間をかけてゆっくり入っていただくのがまいいかなと思います。」
「ゆっくりと言うとどれぐらいの時間が理想ですか?」
「時間は15分ぐらいを目安にしていただければと思います。
お忙しくて「今日はシャワー!」という方で頭や体ばかりかけて、最後に手足の泡を流すだけになっちゃってる人が多いと思いますが、
お風呂から上がる前に手とか足だけに5分ぐらい時間かけてゆっくりシャワーを当ててあげるのも大事です。
もちろん入浴していただくことが一番ですけど、シャワーになっちゃうんだったら、せめてそういう末端部分に当ててあげるのがコツというかテクニックですね」
「お湯が熱すぎても良くないって聞いたことあるんですけど、お湯は「ぬるめ」がいいんですか?暑すぎると好感神経を刺激してしまうかと思うので」
「そうですね〜。昔はおじいちゃん、おばあちゃんに「湯冷めせえへんように兎に角あったまりや〜。」と言われてきたと思いますが
もちろん湯冷めさせないということは大事なことではあるんですけど、塚本さんがおっしゃったように暑いと感じるってことはやっぱり刺激なので
なるべくリラックスする方にしていきたいので「あっつい」というのは避けていただきたい。」
「江戸っ子みたいな入り方ではないのですね。
お風呂の温度は何度ぐらいが丁度良いのですか?」
「そうですね。基本40度前後と言われてますけど、やはり冬場だと正直寒いと思うので41度ぐらいまでの間でややぬるいと感じるぐらいで工夫してもらうといいかなと思います。」
「お風呂って面倒くらいじゃないですか?
でも、これができないとやっぱり体が冷えたままになって睡眠の質が悪くなっちゃう感じなんですかね?」
「心当たりがある人も多いと思うんですけど、お風呂入らないといけないのは分かってるけど、寒くてヒーターの前から動けない、気が付いたら朝を迎える、朝シャワーを浴びる。
そういう人もやっぱりいるのも事実ですね。
でもやっぱり寒さが引き起こす睡眠不良というのは色んな角度から実態としてはあるんですよ。」
「過去クライアントの方でも
結局、そこを直したらスパンと睡眠不良が直ったっていう方いますか?」
「はい、多いですね」
「多いですか。それは風呂に入れ感じですね。笑」
「クライアントの方にその理屈を分かっていただいて、まずは1度やってみて、また1週間後に聞くからそこまではちょっと頑張ってみてくださいって言うと
「分かってはいたけどやると違いますね」って言ってくれますね。」
「印象深い方のエピソードとかありますか?
お風呂に入浴しただけで変わったみたいな」
「そうですね。いや本当同じようなこうことを皆さんよくおっしゃるんですけど
「寝つきが全然違うと翌日の疲労も取れた」というか「体が軽い感じが全然違うからやっぱりお風呂って大事なんだな」っていうのはよく言っていただけるのと
あとはさっきのシャワーの話ですね。やっぱりシャワーは男性が多くてシャワーの「手とか足だけに5分ぐらい時間かけてゆっくりシャワーを当てる」とアドバイスをすると
「あ、シャワーでもいいんだ」ってなるのでそこはね、ちゃんと入浴をオススメしていますが、それでもやってもらうと全然違いましたってなるんでね。
まぁ、ネットで「良い睡眠」で検索するとお風呂が出てくるぐらいベタですけど。やっぱりやると変化は出ますね。」
睡眠を味方にするチェックポイント
「そうなんですね。わかりました。じゃあ、まずは1週間試してみるねのが良いかもしれませんね。色々聞しましたけど、何か気を付ける点とかありますか?」
「そうですね。長風呂とか熱いお湯とかありましたが、お風呂をより「リラックスできる時間として脳に記憶させたい」ので例えば、入浴剤なんかを活用すると入浴剤の成分で体に良いメリットや香りがが良いものを選ぶことによって、脳を直接リラックスさせることができます。
そうやってなるべく「無になる」こと大事です。
呼吸法なんかを実践しながらリラックスしていってほしいですし、お風呂に入って「今日めっちゃむかついたわ」「明日の会議めっちゃ嫌やな」って思いながら入るとなんか嫌なことの延長戦の感じになっちゃうからお風呂から先は嫌なこと、ネガティブなことを考えないっていうスイッチを記憶づけていってもらう習慣化(ルーティン)していくと良いと思います。」
「入浴を一旦リセットするための時間として活用してもらうと良いですね。」
生活リズムを整える「日光浴」のススメ
「そうですね。やはり2月は日照時間が短いってので、6時台とかでもまだ暗かったりするんでよね。
そうなると、体内時計が整いにくなっちゃうんですね。
その理由は体内時計をリセットってとい言葉をよく聞くと思うんですけど。そのリセットするスイッチとかってどこにあるのかっというと目玉の奥にあるんですね。」
「ええ!?」
「怖いですよね。目の奥にあるから指とかで押せないんですよ。じゃあどうやってスイッチを押すんだってというと実は強い光でなきゃ押せないところにスイッチがあるんですよ。
じゃあその強い光って言うとやっぱり日光なんですね。
でもその日光が起きても出てないってなるとスイッチ押せないのでリセットされないままタイマーずっとず動いちゃう状態なのでこの冬特有の睡眠に悪影響を及ぼす季節なので防ぎようがないんですよね。」
「蛍光灯とかではダメなんですか?」
「そうですね。2500ルクスっという光を目から入れると体内時計がリセットされると言われてるんですけど残念ながら朝起きてカーテン閉めたままカチって部屋の照明つけてそれを見ても2500ルクスという光は摂取できないんですね。」
「どれぐらい違うんですか?」
「そうですね。例えば、外が晴れててカーテンをシャッと開けて日光を見るともう何万くらいの差が出るんですね。
曇り空であったとしても外見るだけで1万ルクス、何千ルクスぐらいは行くんですよ
ただ、カーテン閉めっぱなしで部屋の照明つけてると明るいんですけど必要なスイッチを起さないまま過ごすので体内時計が乱れていっちゃうんですね。
冬場はそんな日々を過ごしてるのでどんどん体内時計がずれていって春を迎えるから新生活っていうタイミングに体が順応できなくて環境変化でメンタルも体もしんどいくなります。」
日照時間の少ない2月の過ごし方
「じゃあ日照時間の少ない冬場はどうしていいのかとお話しすると
やはり光がめちゃくちゃ大事なのですが皆さんに意識していただきたいのは光が無い時間に起きた場合も決まった時間に必ず体を起こして最低限でも太陽の光をちゃんと摂取して
歯磨く、朝食を食べるという規則正しいルーティンを設定しておくことが大事です。
実は、食事を取るとか体を動かすというのも少なからず体内時計に影響してくれるんですよね。
光が無理なら体全体でリズムを作っていくというところが大事になるので決まった時間に起きるっというのが冬場は特に大事になってくるかなと思います。」
「1番分かりやすいリセット調整が朝起きて日を浴びることなのですね。」
「はい、さっきの2500ルクス、最低2500切りましたけどスマホの無料アプリで「照度計」で検索していただくとルクスメーターというルクスを測るアプリがあります。
スマートフォンのカメラ機能で感知して数知化するものなのでどこまで正確さは保証できないんですけど
1つの目安として使用してもらって朝起きた時に私は何ルクス摂取してるんだろうって
チェックして、2500より下だと思ったらカーテンを開けて日を浴びる。など確認してもらえるといいかなと思います。」
「わかりました。まずは「入浴」「日を浴びる」の2つやるだけでも睡眠の質が変わりそうですね。」
「そうですね。まずは1週間試して体の変化をみてください」
まとめ
矢野先生、貴重なお話し有難うございました!
入浴、日光を浴びることの大切さを改めて実感しました。2月の寒さからくる体調不良を改善したい方は、自宅で手軽にできる今回の対策を是非実践してみてください。
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