【運動の専門家監修】筋肉衰退を防ぐ!今すぐ始めるべき栄養対策と実践法

対談にご協力いただいたのは運動の専門家である日本スポーツ協会 公認アスレティックトレーナー「木下 幸司」さん。

本日は、運動と睡眠・食事の要素との掛け合わせて「運動の質を上げる」方法について教えていただきました。

目次

運動効果を引き出す睡眠と食事

運動効果を引き出す睡眠と食事

木下さん、今日もよろしくお願いします。

よろしくお願いします。

今日は運動そのものというよりも、運動と他の要素との掛け合わせで、運動の質を上げるための方法についてお伺いします。一つ目が休息・睡眠、もう一つが栄養・食事ですね。運動だけではなく、この二つも大事ですよね?

筋肉を壊す(痛める)

そうですね。運動だけで完結するわけではありません。

例えばトレーニングという形で考えると、重りを使ったりして筋肉に刺激を与えるわけですが、筋肉はその過程で壊れたり、いわゆる痛めるような状態になります。

簡単に言うと、筋肉を破壊するようなイメージですね。

栄養分を吸収(筋肉の元となる)

その後、しっかりと栄養を摂取して、その栄養が筋肉の元となり、回復のための材料になります。

寝ている間に回復させる

さらに、寝ている間に体が回復し、また次のトレーニングや運動に取り組めるというサイクルになります。

つまり、運動はあくまで最初のステップで、その後の栄養と休養、特に寝ることが非常に大事になってきます。

お客様の例

お客様の例

サービスを利用される方の中で、栄養が取れていない、睡眠が十分でないという方もいらっしゃいますか?

大学生で一人暮らしの方

はい、例えば大学生の方で下宿されているような方ですね。一人暮らしをしていると、食事の管理が難しいケースがあります。

社会人で一人暮らしの方

また、若い社会人の方でも一人暮らしをしている場合、自炊が必要になります。

しかし、仕事や学業が忙しく、自分で食事を作る時間や余裕がない方も多いです。そのため、食事に質を求められず、体を良い状態に保つための栄養が取れていないケースがあります。

こういった方々は、筋肉の成長が遅れたり、運動の効果が十分に現れないこともあります。そのため、こちらで話を聞いて、現在の食事状況を伺い、可能な限りアドバイスをするようにしています。

運動における食事の重要性

運動における食事の重要性

運動をしっかりされている方は、バランスよく食事を取ることを意識していると思いますが、改めて整理すると、運動のスペシャリストから見た食事や栄養の役割とはどのようなものでしょうか?

食事や栄養は、体の材料となるものです。

たんぱく質

例えば、筋肉の材料となるのはたんぱく質です。

カルシウム、ミネラル

骨の材料としては、カルシウムやミネラルが挙げられます。

油分

また、体を動かすためのエネルギー源として油分も必要です。油を嫌う方もいるかもしれませんが、体にとっては非常に重要なエネルギーで、車でいうところのガソリンに相当します。

炭水化物

さらに、炭水化物も体を動かすための大切なエネルギー源です。お米やパンを指しますが、痩せたいからといって炭水化物を避ける方もいます。

しかし、炭水化物は体を動かすために欠かせないものなので、しっかりバランスよく摂ることが大切だと思います。

食べないダイエットはNG

食べないダイエットはNG

エネルギーを取らずに運動を続けても、結局ダイエットが成功しないケースもあるのでしょうか?

そうですね。人間には五大栄養素と呼ばれる栄養素があり、そのどれもが体にとって必要です。「この栄養素は取らなくてもいい」というものはありません。もちろん量の調整は必要ですが、バランスよく栄養を摂ることが重要です。

例えば、ダイエットをする際には、体に蓄えられているエネルギーを少し落とすことは必要ですが、それをゼロにしてしまうと栄養が欠け、体にとって悪影響を及ぼします。

栄養素を取り込むために少量でも取る必要がある

ダイエット中でも、量を少し調整しながら栄養を取り入れることが大切です。

五大栄養素をしっかりバランスよく取ることが大事

また、五大栄養素をしっかりバランスよく摂ることが、体にとって必要不可欠です。特定の栄養素を完全に取らないというのは、健康的な方法ではないと思います。

栄養が偏ることの危険性

栄養が偏ることの危険性

トレーニングを始めると、プロテインばかり摂取している方を見かけることがありますが、そういった方も実際にいらっしゃいますか?

はい、プロテインに頼りがちな方はいらっしゃいます。もちろんプロテインやサプリメントにも効果がないわけではありません。ただ、それだけに頼るのは問題です。

プロテインやサプリメントは加工されたものです。一方で、人間は100年、200年、さらには1000年前から自然の中で生きてきた生物ですから、自然の食べ物を摂取することが人間にとって必要不可欠です。

加工食品が悪いわけではありませんが、それだけに頼るのではなく、自然の食材からも栄養を取るべきです。

加工されたものでは全てを網羅できない

加工食品には、栄養バランスが考慮されていますが、それでも全ての栄養素を網羅することはできません。ですので、自然の食材と加工食品をバランスよく取り入れることが大切です。

上手く付き合いながら使うのがいい

加工食品とうまく付き合いながら、必要な場面で適切に使うのが理想的だと思います。

結局は、バランスよく食べることが基本ということですね?

その通りです。基本中の基本ですが、わかっていてもなかなか実践できないことも多いですよね。特に一般の方は、感覚的に「これでいいのかな?」と疑問を持ちながら行動している場合もあります。

専門家に相談することも必要である

そんな時は、私たちトレーナーや、より専門的な栄養士などに相談していただくのが良いと思います。プロの意見を参考にすることで、より正しい方向性が見えてくるはずです。

それぞれの専門家の意見を取り入れるのも良い方法ですね。

運動と食事の効果的なタイミングは?

運動と食事の効果的なタイミングは?

最近は24時間トレーニングできる環境も整ってきて、トレーニングする時間が夜になる方もいるようです。また、食事のタイミングにもばらつきが出ていると思いますが、運動と食事の効果的なタイミングについて教えてください。

基本は運動してから食事をとる

オーソドックスな方法としては、運動をして体を使い、その後に栄養を取って修復し、最後に睡眠をとるという流れが最もきれいで基本的な順番です。

ただ、24時間ジムがある現在では、例えば夜10時からトレーニングを始めて夜中12時に終わり、その後ご飯を食べて寝るというスケジュールもあると思いますが、その場合は少し工夫が必要です。

寝る前に運動する方は事前に食事をとる

寝る前に運動をする方は、運動の1時間半〜2時間前に軽く食事をとるのが良いと思います。

運動直前に食事をすると、胃の不快感で運動しづらくなることがあります。また、午前中に運動をする方であれば、朝食を食べた後に運動し、その後にお昼ご飯を食べるという流れがスムーズです。

エネルギー不足状態での運動は避けよう

例えば夕方6時〜7時に運動をする場合、昼食が12時〜1時ごろになると、運動の時点で6時間ほど時間が空いてしまいます。この状態ではエネルギー不足で運動の質が下がる可能性があります。

そんな時には、おにぎり1つやバナナ1本といった軽いエネルギー補給をしておくと良いです。その後、夕食でしっかりとエネルギーを補給するのが理想的な流れです。

つまり、目的やタイミングによって工夫が必要ということですね。ざっくり言うと、トレーニングの前には少しエネルギーを補給しておくのが大切ということですね?

はい、良い状態でトレーニングするためには、事前に運動のためのエネルギーを補給しておくべきです。ただし、基本的には運動をした後にしっかり食事を取るというのが、一番オーソドックスで重要な流れになります。

24時間プロテインを摂るのではなく、トレーニングの後に適切な量を摂ることが大事ですよね。運動を始める際には、こうした食事のタイミングについてもざっくりと理解しておくと良いですね。

そうですね。運動と食事のタイミングは非常に大事です。

睡眠と運動の関係性

睡眠と運動の関係性

もう一つの重要な要素である休息・睡眠についてですが、これもやはり大切ですよね。

そうですね。睡眠中に体は回復し、修復されます。極端な話ですが、「寝ない」という状態でしっかり運動を続けると、体が疲れているのに回復できないため、疲労が蓄積してしまいます。そのままトレーニングを繰り返すと、次第に体を壊してしまう結果になります。

運動で負荷をかけた分を、しっかり睡眠でリカバリーすることが必要です。最近よく使われる「リカバリー」という言葉の通り、回復させて元気な状態で次のトレーニングに臨む。

このサイクルを作ることが、良い結果を得るためには欠かせません。睡眠は、栄養と同様にトレーニングには必須の要素です。

睡眠がなければ、トレーニングはむしろ逆効果になるということですね。

その通りです。睡眠がないままでは体を壊すだけで、無駄なことをしているような状態になります。逆に、「やらない方が良いのではないか」と思えるほどです。

皆さん、睡眠を意識できているのでしょうか?

おそらく多くの方は、寝ること自体は当たり前の行為だと認識しています。ただ、「トレーニングの回復が寝ている間に行われている」という意識を持っている方は少ないかもしれません。

食事に関しても、食べることが自分の体を作っていると意識していない方がいるのと同じように、睡眠中に体が回復しているという点をしっかり認識している方は意外と少ないと思います。

睡眠や食事について改めて意識を持つことで、トレーニングの効果をさらに高めることができますね。健康的な生活を目指して運動を取り入れている方には、効率的に取り組むためにも見直していただきたいですね。

そうですね。

睡眠や食事を改めて捉え直すことで、より効率的に健康的な生活を送るためのサポートになると感じました。

睡眠不足が運動に与える影響

睡眠不足が運動に与える影響

睡眠の質が悪いことで運動の質を下げてしまうような、他の具体的な事例はありますか?

脳の回復にも影響を与える

睡眠は体をリカバリーするために必要ですが、同時に脳の回復にも重要な役割を果たします。筋トレは筋肉を鍛えるイメージが強いですが、実際には筋肉を動かすためには脳からの電気信号が必要です。筋肉単体で動いているわけではなく、脳と筋肉が連動して動く仕組みになっています。

例えば、スポーツでボールをうまく投げたり、打ったり、走ったりする場合、筋肉だけが強くなっても、脳の指令がしっかり出せないと動きはうまくいきません。睡眠不足が続くと脳が十分に回復せず、その結果、脳からの信号がうまく伝わらないため、動作が鈍くなることがあります。

これは技術を向上させたい、動きを良くしたいという場面では大きな影響を与えます。せっかくトレーニングや練習を頑張っていても、うまくボールが投げられない、動作が決まらないということが起きるのは、筋肉だけの問題ではなく、脳がしっかり働いていないからかもしれません。

スポーツだけでなく、日常の運動でも同じで、脳が司令塔となります。脳がしっかり働くためには、良質な睡眠を取ることが非常に重要です。

1分1分の過ごし方にも集中できているかどうかで、トレーニングの成果は大きく変わってきそうですね。そういった意味で、準備段階としての睡眠をしっかり取ることが大事だとよく分かりました。ありがとうございます。

運動のメリット(食事)

運動のメリット(食事)

今までは睡眠や栄養が運動にとって大事という話でしたが、逆に運動が休息の質や食事の質を向上させる要素もあるのでしょうか?

体の新陳代謝が良くなる

はい、運動で体を動かすことで新陳代謝が良くなります。これにより、栄養素の吸収も良くなるというメリットがあります。

腸活(腸の動きも良くなる)

また、最近話題の腸活にも関係があります。運動によって腸の動きが良くなることで、食べた栄養を効率よく吸収できるようになります。もし吸収がうまくいかず、食べたものがそのまま排出されてしまうと、せっかく摂取した栄養が無駄になってしまいます。

運動によって体が元気な状態を保てると、腸の活動も活発化し、栄養の吸収率が上がります。これらは目に見える部分ではありませんが、体の内部でしっかりと働いてくれています。

体を動かすと腸の働きが活性化する

体を動かすと腸の働きが活性化する

運動することで腸の働きが良くなるというのは、具体的にどのような関係があるのでしょうか?

胴体部分を動かすことで腸の動きを活性化する

運動にはいろいろなやり方がありますが、例えば体幹を動かすような腹筋系のトレーニングなど、胴体部分を動かす運動は腸の動きを活性化すると言われています。

腸が活発に動いているというのは目には見えませんし、意識しづらいかもしれません。ただ、運動が腸の働きをサポートし、結果的に栄養の吸収を助けていることは間違いないです。

運動をすることで体の中でいろいろな良い変化が起きているんですね。

はい、運動が腸の動きにも貢献しているという点は、運動を取り入れるメリットの一つだと思いますね。

運動のメリット(睡眠)

運動のメリット(睡眠)

私たちのジムには年配の方が多くいらっしゃるのですが、年配の方は「夜寝付けない」や「2〜3時間で起きてしまう」といった睡眠の悩みを持っている方が多いです。そうした方が健康のためやリハビリの一環で運動を始められると、運動習慣が少しずつ身につき、「最近よく寝られるようになった」と言われることがよくあります。

体が少し疲れている時の方が寝付きやすいのは自然なことです。しかし、年齢を重ねると日常の活動量が少なくなり、体を十分に動かす機会が減ります。その結果、体が「休む必要がない」と判断し、睡眠が浅くなることがあります。

運動を行い、体を適度に疲れさせることで、その疲労を回復させるための睡眠が深くなります。運動習慣があることで、自然と「よく眠れる体」を作ることができるのです。

意外と寝られない理由は、シンプルに運動不足であることも多そうですね。いろいろな方法を試しても改善しなかったのに、運動を始めたらよく眠れるようになった、なんてこともありそうです。

その通りです。

まとめ

まとめ

運動について木下さんにお話を伺いましたが、運動だけが生活の質(ライフタイムバリュー)を決めるわけではありません。

運動は休息や栄養、人間関係といった要素と密接に関係していて、これらがすべて合わさって生活の質が向上するのだと思います。今回のお話を一つの参考にしていただけたら幸いです。本日はありがとうございました。

ありがとうございました。

運動不足による循環不足を補い、睡眠中の冷え対策にも!

冬は体が冷えやすい上に運動不足になちがちですよね。運動不足が続くと代謝が悪くなり筋肉が固まることによって血液の循環が悪くなります
また、循環不足は睡眠にも影響があります。足元が冷えているとなかなか寝つけなかったり体がリラックスできず疲れが取れないこともありますよね。「体が冷えてしまう」原因のひとつは血流の悪さ。

キュアレの足枕は、寝ている間に下半身の血流をサポートし、循環促進、冷えを和らげるお手伝いをしてくれます。睡眠をしっかり取れることで翌朝の目覚めが違いますよ。

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この記事を監修した人

木下 幸司 木下 幸司 株式会社オルソエクスパンド
フィットネス事業部
マネージャー

<資格>日本スポーツ協会 公認アスレティックトレーナー、NSCA-CPT
<現在のトレーナーサポート>大阪産業大学附属高校 アメリカンフットボール部
<過去のトレーナー歴>近畿大学 アメリカンフットボール部、甲南大学 アメリカンフットボール部。近畿大学附属高校 男子バスケットボール部、パナソニック 硬式野球部、ハンドボール 女子U18日本代表、バレーボール JOC女子大阪南選抜 など

⚪︎⚪︎のアバター 塚本 幸規 株式会社キュアレ
取締役/整体師

美しく健やかに体を整えるためのアイテムを取り揃えたCURE:REのマーケティング、PRを担当。20年以上にわたる整体師としての経験から様々な不調を抱えるクライアントをサポート。リピート率90%の店舗作りを手掛け、そのノウハウを治療院、エステサロンへ伝授。医療グループ商品開発部門の取締役として、地域医療と個人サロンが連携して顧客をサポートできる仕組み作りをしている。

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