厳しい夏を乗り越えて迎える9月。気温は少しずつ下がり始める一方で、朝晩の寒暖差や生活リズムの変化によって体調を崩す方も少なくありません。近年よく耳にする「秋バテ」という言葉も、そうした季節の変わり目に起こる不調を表しています。
今回の対談では、睡眠の専門家の矢野 達人さんと秋に注意すべき睡眠環境や、体調管理のポイントについて語り合いました。エアコンの使い方の工夫から、自律神経の乱れが引き起こすメンタル面の影響、さらに日々の睡眠を見直すための具体的な方法まで――季節の変化を健やかに乗り越えるためのヒントが詰まった内容です。
秋に生じる体の不調「秋バテ」とは


矢野さん、今日もよろしくお願いします。

よろしくお願いします。

今年の夏は7月から激暑でしたし、まだ少し暑い日が続いていますけれども、9月に入って少しずつ涼しくなってくるかなと。
秋に入っても暑い日が続きますが、9月にかけてちょっと気をつけておくといいような、そんな睡眠事情ってありますか?

僕なんかは暑がりなので、9月=夏という感覚なんですよ、個人的には。
世の中のいろいろな方の話を聞いていると、やはり9月から10月にかけて秋になっていく時期に、体調を崩される方が増えてきますよね。
秋バテなんていう言葉もありますけれど、元々は夏バテのほうがメジャーでしたよね。
でも今はエアコンなど、環境を快適にしようと思えばできる状況で生活しているので、秋でも体調を崩す方が多いと思います。
やっぱり一年を通して睡眠を整えておかないと、自分の力で体調を守るという力が下がってしまいますね。
涼しくなってきたら空調利用を最適化する

なので、なるべくエアコンの使い方を見直すことが大事かなと思います。
ちょっとでも涼しくなってきたなと思ったら、当たり前のようにエアコンをつけるのではなく、少し控えてみたり、扇風機に変えてみたりと、そういう判断が大切ですね。

最近「秋バテ」ってよく聞きますけど、ちょっとマーケティング的な要素で生まれた言葉かなとも思っていました。
でもそういう側面だけじゃなくて、確かに生活環境がだいぶ変わってきているから、夏バテと同じように秋に疲れてしまう方がいるということなんですね?

そうですね。
たとえば衣替えのタイミングって、人によってまちまちじゃないですか。
敏感な人は「えっ!もう?」って感じたりもしますし、半袖から長袖に変えるタイミングや、冬物を出すタイミング、こたつを出す時期なんかも家庭や人によって全然違いますよね。
だから、涼しくなってきているけれど「まだいけるかな」って感じで、今までの習慣のまま過ごしてしまって、「まだ暑いかも、汗かくかも」という不安から、とりあえずエアコンをつけておこうっていう心理になるんですよね。
習慣でエアコンをつけることで必要以上に体を冷やしてしまう

その結果、必要以上に体を冷やしてしまうことがあるんです。
それも「あるある」な話で。
秋バテって言葉が昔はあまり聞かれなかっただけで、実際は皆さん、うっすらとそういう不調を感じていたんじゃないかなと思います。

体感としてはあったけれど、言葉としてはまだ身近じゃなかったから、「そんなものなのかな」って感じだったんですね。

そうですね。
秋バテのサイン


どんなサインに早めに気づけると良い、というのはありますか?
最初のきっかけは”だるさ”から始まる

「だるい」という感覚が、一番よく聞く言葉ですね。
ただ、ちょっとメンタル的な部分にもつながっていて、だるさが続くと気持ちが上がらなくなって、沈んでしまうんです。そのままずるずると涼しい時期を越えて寒い季節に入ると、余計にメンタル不調に陥ってしまう。
いわゆる冬季うつという状態ですね。
冬になって突然うつになるわけじゃなくて、その前兆があって、メンタルの器にひびが入っていくような感覚。実はそういうところから始まっていて、自律神経の乱れが関係しているんです。
睡眠を整えていないとメンタル不調を起こす

しっかりと睡眠を整えておかないと、結果としてメンタル不調を引き起こしてしまいます。
朝起きにくくなったり、夜眠れなくなったり、仕事に行くのが億劫になってしまったり。そういう部分にも影響を及ぼす問題だと思います。

そうなると、集中力が続かなくなったり、やる気が起きなかったりして、気分が乗らない原因にもなりそうですね?

そうですね。
秋バテの対策


「自分もそうかも」と思う方もいらっしゃると思いますが、取り組めることとしては、9月ならではで、どんなことに気をつけたら良いですか?

こういう話を聞いたタイミングで、「言われてみれば前よりはましかな」「言われてみれば扇風機でもいけるかも」と少しでも思えたなら、それは一つのサインですね。
もちろん日によっては「今日はめちゃくちゃ暑い」という日もあるので、そういう時は無理せずエアコンを使っていただいて構いません。
でも、ちょっとでも涼しい日が増えてきた、楽になってきたと感じるタイミングは、過ごし方を見直すきっかけにしてほしいです。
体に合った環境を作ることを意識する

「寒くなったら変える」「暑くなったら変える」という方が多いと思うんですけど、「寒くなるまで耐える」というやり方だと、さっき話したような不調が起こりやすくなります。
なので、「涼しくなってきたな」と感じた時点で、自分の体に合った環境を作ってあげる。そう意識するだけで、けっこう変わると思います。

特徴的と言うと変かもしれませんが、夏バテもそうですよね。
体調の変化という面で、どんなことがありますか?相談の中では。
一年間を通して軸を作ること

9月特有というよりは、この動画の中でもお伝えしているように、やはり一年間を通して“軸”を持つことが大事なんです。
「暑いからこうする」「寒いからこうする」という対策はもちろん必要ですが、その都度リズムや時間の使い方を大きく変えてしまうと、結局整わなくなる。
通年通して、自分の価値リズムというか、基準を持っておくことが大切なんです。
皆さん、わりと感覚で生きている方が多い印象なんですよね。
「なんとなく自分はこういう睡眠タイプ」とか、「朝が弱いタイプ」などと。
でも、それが本当に生まれつきかというと、実はそうではないことも多くて。
だからこそ、自分の睡眠を理解して、客観的に評価してもらうことが大事です。
「だから自分は朝エンジンがかかりにくいのか」とか、「お昼過ぎに眠くなるのは、こういう順番で食事をしているからかもしれない」とか。
客観的に自己評価を行い、改善を行う

そういった部分を客観的に評価して、整えられるところを少し変えていくことで、自分の“勝ち筋”を知ってもらう。
それがすごく大事なことだと思います。
「何から始めれば?」となると、教科書的な話になってしまいますが。
睡眠の専門家に相談する

まずは一度、自分の睡眠や生活リズムが本当に自分に合っているのか、良い状態なのかどうか。
それを、ぜひこういった専門家に相談して評価してもらう。
まず「知る」ことが大事だと思いますね。
睡眠日誌で自分を知ろう


具体的に言うと、相談という方法もありますけど、もう一つはレコーディング。
ちょっと大変に感じるかもしれませんが、一度生活のリズムを把握してみるという理解でいいですか?

そうですね。
アナログにはなりますが、「睡眠日誌」をつけてみるのも良いと思います。
何時に寝て、何時に起きて、その前の日の晩に何を食べたか。
結果として翌朝の寝起きはどうだったか、その日のパフォーマンスはどうだったか。
こういった情報を記録していくことで、例えば「この日は睡眠時間が何時間で、食事は寝る何時間前だった」「お酒を飲んだ/飲まなかった」などが見えてきます。
そうやって並べてみた時に、なんとなく感覚では分かっていたけれど、改めてデータとして見ることで、「自分はこういう日の前日は、こう過ごさないと翌日こうなってしまうんだな」と気づけるんです。
そうなると、自分で行動をコントロールしやすくなります。「今日はやめておこう」とか「無理しないでおこう」と言えるようになる。
そういう理解がないと、「まあ何とかなるか」「いけるかも」と思ってしまって、ドーパミン的な誘惑に負けやすくなるんですよね。
たとえば、まっすぐ家に帰ればいいのに、つい手前のコンビニに寄ってプリンを買ってしまうとか。
そういう小さな誘惑に負けてしまうわけですが、自分のパターンを客観的に理解していれば、「待てよ、明日は大事な予定があるから今日は控えよう」と思えるきっかけになります。
そういった小さな積み重ねが、最終的には自分のコンディションを整えることにつながっていきます。
セルフで睡眠日誌をつけてみるのも良いですし、脳波を測定するという方法もあります。ご相談いただければ、そうした評価も可能です。

大事になりそうですね。
9月のまとめ


特に、日照時間が変わってくる時期に差し掛かるので、夏の感覚や時計のままで生活していると、体内時計が崩れるというとちょっと大げさかもしれませんが、乱れやすくなってくる可能性もありますよね。

そうですね。

そういう意味では、この時期から。
本格的に涼しくなる手前の今のタイミングから、しっかりと心がけていただくことが大切です。9月のうちに取り組んでもらえるといいかなと思います。

おっしゃる通りです。

この時期にしっかりと整えておくことで、「気分が乗らない」といった状態をなるべく防げれば、1日1日がより充実したものになると思います。ぜひ試してみていただけたらと思いました。
今日はありがとうございました。

ありがとうございます。
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