対談にご協力いただいたのは、睡眠の専門家・矢野達人さん!
矢野さんは睡眠コーチとして、個人の睡眠指導はもちろん、企業向けに事故防止やパフォーマンス向上を目的とした睡眠講習も行っているプロフェッショナルです。
さらに、サッカーチームの睡眠マネジメントプログラムを手がけ、チーム全体のパフォーマンスアップにも貢献されています。
さて、12月に入りましたね。この時期は忘年会などでお酒を飲む機会が増えたり、帰宅が遅くなったりして、睡眠リズムが乱れがち…。そんな方も多いのではないでしょうか?
今回の対談動画では、矢野さんの専門知識と豊富な経験をもとに、お酒との上手な付き合い方や睡眠の質をグッと上げる方法をたっぷりご紹介!
年末を元気に乗り切るためのヒントが詰まった内容です。忘年会の前に、ぜひチェックしてみてください!
12月の睡眠対策
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
もう12月になりました。年末に向かって忙しくなってくるのが12月かなと。
そうですね。
そうすると、睡眠の方も負担がかかるか、影響が出てくるかなとも思うんですけど、どうでしょうか?
そうですね。本当に多いのが忘年会とかですね。お酒を飲む機会が増えるとか、帰りが遅くなるとか、そういったところで睡眠を崩される方が多いです。
実際に「飲み会が多いんですけどどうすればいいですか?」という相談が結構あったりします。
睡眠でサポートを受けている人からの相談ですか?
そうですね。「なんでこの日は睡眠時間が短かったんですか?」と聞くと、「飲み会で」という答えが返ってきて「あっ、なるほど」と思うことがよくありますね。
その日の睡眠休養感、つまりどれくらい睡眠の質が良かったかを測る指標も、翌日には低くなりがちです。
こういったケースは年末には特に増える傾向がありますので、やはり注意が必要だと思います。
なぜお酒が睡眠に良くないのか?
かと言って付き合いをやめろというわけにもいかないですね。
間違いなく、どっちを犠牲にするかという選択にはなりますね。
あぁー、そこまでですか!?
でも、僕が伝えているのは、まずなぜアルコールが睡眠に良くないのかという話からです。その点を、まずご本人にしっかり伝えるようにしています。
はい。
簡単に言うと、アルコールは睡眠の質を悪くすることに直結しているんですよね。
利尿作用
お酒を飲むと、まず分かりやすいのが利尿作用です。トイレに行きたくなってしまうことで、眠りが浅くなるというのが一つありますね。
筋弛緩作用
もう一つは、筋弛緩作用です。アルコールを摂取すると筋力が緩んでしまうので、顎や喉周りの筋肉も弛緩してしまいます。
そのため、仰向けに寝ていると気道が塞がりやすくなり、いわゆるイビキにつながります。
結果として、呼吸がしづらい状態になってしまうんです。
はい。
交感神経優位になる
さらに、アルコールの代謝によって交感神経が優位になってしまう物質が生成されることもあります。
また、セロトニンという眠りに関わるホルモンの材料が、アルコール分解に必要とされることも影響しています。こうしたいろいろな要因が重なって、アルコールは睡眠にとって良くないと言われているんです。
たまに 寝てる人いませんか?
それは「気絶」に近いですね。その眠り方が良いと推奨されるなら、世界の常識がひっくり返る話です。でも、現実的にはそうは推奨されていません。
先ほど挙げた理由から、アルコールは眠気を引き起こすものの、眠りの質を大きく下げてしまうことがはっきり分かっています。なので、できれば控えていただきたいです。
ただ、「じゃあ飲み会には行きません」という選択をすると、それによって失うものも大きいですよね。
お酒を飲む場合の対策
僕がよくお伝えしているのは、アルコールの分解や代謝にかかる時間についてです。
せめて、「今から帰ったら何時くらいにシャワーを浴びて、布団に入るのが何時くらいになるのか」という時間を意識してもらうように話しています。
はい。
最後のアルコールは寝る3時間前までに!
その時間から逆算して、できれば最後のアルコールは寝る3時間前には控えてほしいですね。
理想は4時間空ける
理想を言えば、4時間くらい空けていただきたいです。例えば12時に寝る場合、3時間前の9時には最後のアルコール摂取を終えておくのが望ましいです。
もし10時に帰宅して、2時間後にはお風呂に入って寝ているような状況であれば、最後の1杯は「暖かいお茶かお水」に変えるだけで、身体への負担は全然違ってきます。
寝る時間から逆算して、最後の1杯やアルコール摂取を制限するだけでも、大きく変わると思います。
睡眠時の代謝・消化活動
大体、深酒して二日酔いとかは別として、起きた時にはアルコールが抜けているじゃないですか?
ということは、寝ている間に解毒しているんだと思いますけど、本来はそうじゃなくて、身体を回復させるための時間なんですよね。
そうですね。
それを解毒にあてちゃっている、というようなちょっと抽象的な表現かもしれませんが、そういう理解でも良いんですか?
寝ている時の消化吸収の効率は半減する
そうですね。ご飯の消化も同じで、寝ている時の消化吸収の効率は半減すると言われています。
例えば4時間かかる消化のものが8時間かかるとすると、朝まで内臓が働き続けることになりますよね。その考え方と同じだと思います。
起きている間に内臓の活動は終えているのが理想
やはり起きている間に、内臓の活動を終えてから眠りに入るのが理想です。もし睡眠中にその活動が割り込むとしても、割り込み方に違いがあります。
ギリギリまで飲んで眠るよりも、なるべく起きている間に代謝や分解を終わらせてから睡眠に入ることをイメージしてほしいですね。
そのためにも、逆算して「もうそろそろ止めておこう」と考えられるかどうか。最後の1杯をセーブできるかどうかで、睡眠の質は大きく変わってくると思います。
お酒との上手な付き合い方
アルコールという手段が、全く睡眠に良くないということなんでしょうか?
それとも、少し気分的に発散して、良い気分で睡眠の準備をするような付き合い方もあるんでしょうか?
時間を空けて少量であればリラックス効果あり
そうですね。お話ししたように、時間をしっかり空けて、かつ少量であればリラックス効果が期待できる部分もあります。
気持ちの面では満たされるところがあるので、その程度に抑えることが大切だと言われています。
近年は睡眠に影響が出ない範囲で楽しむ考え方が主流
一方で、睡眠学会では「アルコールは百害あって一利なし」といった厳しい意見もあります。それは一世代前の学会の上の方々がよくおっしゃっていたことですが、最近ではメディアに出られる先生方の考え方が少し変わっています。
その先生方自身がお酒を楽しむ方も多く、「睡眠に影響が出ない範囲で楽しみましょう」というのが、今では一般的な考え方になりつつあります。
その目安として、お布団に入る前の3時間くらいが良いんですね。
そうですね。理想は4時間前ですが、せめて3時間前には控えるべきです。
それが難しければ、例えば1時間よりは2時間、2時間よりは3時間と、できるだけ空けるようにしていくことが大切です。
確かにそうですね!
年末年始は体内時計が乱れやすい
忘年会シーズンは気分爽快になるじゃないですか。年末とか休みになる時には、つい飲みすぎちゃうこともありますよね。
そうですね。忘年会の荒波を搔い潜った後は、年末年始の連休でリズムが狂うという問題が出てきます。これも毎年のあるあるですね。
やはりお正月や年末年始を挟むことで、年始がしんどいという方が多くなります。それは簡単に言うと、体内時計が崩れてしまうからなんです。
休みや連休、旅行に行く、実家に帰省するなど、いろいろな予定が重なる時期ですからね。
生活リズムを保つことが大切
年末年始も仕事がある日と変わらない時間に起きる
守れるのであれば、普段お仕事がある日と変わらない時間に起きて、いつも通りの時間帯で生活することが大切です。もちろん環境ややる事は違いますが、起きる時間をなるべく一定に保つのが良いですね。
そうしないと体内時計が乱れてしまいますし、仕事が始まってから生活リズムを整え出すと、最初の数日がとてもきつくなってしまいます。なるべくリズムを保って過ごしていくことが重要です。
仕事が始まる数日前から生活リズムを整える
例えば、年越しの瞬間を楽しむとか、あの番組を最後まで見たいといったことで多少リズムが崩れることはあると思います。
それでも2日・3日くらいからは、新年の仕事が始まる少し前にいつも通りの生活に少しでも近づけて整えていかないと、リズムが崩れやすくなります。
ちょっと夜更かししてしまったら、やっぱり翌日昼間に寝ればいいか、とか単発では良いかもしれません。
でも、それをランダムに繰り返しすぎると、その場は楽しくても、今までケアしてきたもの全部清算してしまって年を迎えちゃうという事ですね。
そうですね。ですから、夜更かしをしてしまった場合も、一旦いつも通りの時間に起きることが大事です。
その上で、例えば二度寝をするなり、お昼寝をするなりして、夜の睡眠とは別のおまけだという風に体に認識させるのが良いですね。
こうすることで、生活リズムが乱れるリスクを最小限に抑えられると思います。
まとめ
付き合い方がわかっていれば、気を付ける時は気を付けるということで、年末に向けて準備ができるのではないでしょうか。
年末が忙しい方は、その前段階で今の時期に習慣を整えておいて、余裕を持って年末を迎えるようにできるかなと思います。
そうですね。
では、今回は年末のアルコールの話をしていただきました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
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