春の訪れを感じる3月。寒さが和らぎ、外で体を動かすのに適した季節になってきました。この時期になると「そろそろ運動を始めようかな」と思う方も多いのではないでしょうか。
実際、3月はウォーキングやランニングを始める人が増える時期。しかし、急に運動を始めることでケガをしたり、続かずに挫折してしまうケースも少なくありません。
そこで今回は、運動の専門家である木下 幸司先生をお招きし、「3月の運動」をテーマに対談を行いました。運動を始める際の注意点や、習慣化するコツについて掘り下げていきます。
特に40代の方に向けて、これからの健康を見据えた身体づくりの重要性や、日常に取り入れやすい運動方法についても詳しくお話を伺いました。
「運動を始めたいけれど、何から取り組めばいいかわからない」「無理なく継続するにはどうすれば?」そんな疑問をお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてください!
3月の運動


木下さん、今回もよろしくお願いします。

よろしくお願いします。

今回から少し具体的なケースに掘り下げて、「運動」という視点で解説をいただこうと思っています。

はい。

ちょうど3月は、4月から新しい期が始まる方も多いですよね。その前の月にあたる3月だからこそ、運動と絡めて気をつけたいことや、よくアドバイスされるポイントがあれば教えてください。
3月は運動を始める方が多い

そうですね。だんだん暖かくなってくるので、外で体を動かしやすい時期になりますよね。
やっぱり、今まで運動不足だった方が「ウォーキングを始めてみよう」「ランニングをしてみよう」と、運動を始めるきっかけになりやすい時期かなと思います。
運動に慣れていない方は慎重に始める必要がある

特に、これから運動を始めようという方は多いと思うので、自分の体の状態を知らずにいきなり動いてしまうと、ケガをしたり、逆に疲れすぎて嫌になってしまったりということもありますよね。
今まで運動していなかった人が運動を始めるときは、無理せず慎重に進めることが大事です。せっかく始めたのに、ケガをしてしまっては元も子もないですからね。

やるぞ!って決めたときが一番モチベーション高いんですよね。

そうですよね。

でも、やりすぎて痛めてしまい、そのままやめてしまう……ということもありますよね。できれば、それを習慣化していくことが大切です。
それに、3月はまだまだ寒い日もありますからね。しっかり準備運動をしたり、体を温めたりしてから運動することも大事ですね。
運動を習慣化してほしい年代


特に運動を習慣化してもらいたい年代の方って、いらっしゃいますか?
40代の方に特に運動を習慣化してほしい

僕は今44歳なんですけれども、やっぱり同じ40代ですね。
男女問わずですが、このくらいの年齢になってくると、20代・30代の頃の元気な状態をなんとか維持できている人が多いと思います。比較的まだ動けるかなというところですね。
50代・60代に向けて身体づくりを始める

ただ、40代に入ると、今までの“貯金”がだんだん薄れてきて、少しずつ体のほころびが出てくる時期でもありますよね。
この先、50代・60代に向けて、やはり身体づくりを意識することが大切です。20代・30代の頃の貯金が、ずっとそのまま続くわけではありません。だからこそ、40代は「今後の分かれ道」になる重要なタイミングかなと思います。
特にこの年代は、筋力やスタミナ、柔軟性が変わりやすいので、意識して運動を取り入れてほしいですね。

ちょうど男性でいうと厄年の時期ですよね。昔から節目として言われていますし、まだ「大丈夫かな」と思える年代かもしれません。でも、50代・60代になったときに「あれ、ちょっとやばいかも?」と感じることもありますよね。
そうなると、より負荷がかかってしんどくなったり、続けるのが難しくなったりすることもありそうですね。
運動習慣 性別による違い


これは男性の場合、厄年などがきっかけになりやすいと思いますが、女性も同じようなことが言えますか?
女性も身体の変化(閉経やホルモンのバランス)がある

そうですね。女性の場合は、閉経やホルモンバランスの変化があるので、男性とはまた違った影響が出てきますよね。
特に気になるのは骨粗鬆症です。40代ではすぐに症状が出ることは少ないですが、50代・60代になると気にされる方が増えてきます。
身体の変化はタイミングではなく、積み重ねで出来ている

ただ、それは「そのタイミングで急になる」というわけではなく、それまでの生活習慣の積み重ねが大きく影響しています。
つまり、40代の過ごし方次第で、50代・60代に骨粗鬆症になりやすいかどうかが変わってくるんですよね。

直接的にはまだ影響が出ていないかもしれませんが、将来のことを考えると、今から準備しておくだけで大きく変わってくるということですね。
後悔しない運動習慣は40代から


いろいろな方を指導されていく中で、40代のうちに運動をうまく取り入れた方と、そうでない方。その後の生活で大きく差が出るのを見られていると思います。
「もっと早くからやっていればよかった」と感じるようなケースはありますか?
50代で運動を始める人が多い

うちのジムでも40代の話をよくしていますが、実際に運動を始める方で特に多いのは50代ですね。
40代のうちに運動をせず、50代になって「そろそろ始めなきゃ」と思う方が多いんです。やっぱり60歳という年齢が見えてくると、「このままじゃマズいかな」と感じるんでしょうね。
ある程度60代の壁を超えると、おじいちゃん・おばあちゃんというイメージになってくる。最近の方は若々しいですが、それでも「今のうちにやらなきゃ」と思うタイミングがあるようです。

確かに、最近の60代の方はすごく若いですよね。
40代から始めておけばよかったという声が多い

そうなんですよ。でも、50代で運動を始めた方と話していると、「もう1つ前の段階で始めておけばよかった」と言われることがすごく多いんです。
「50代で気づいたけど、40代半ばくらいからやっていたら、もっと楽に動けたのに」とか、「もっと早く始めていたら、ここまで大変じゃなかったのに」という話は本当によく聞きます。
だからこそ、40代のうちに運動を習慣化することが大事だなと感じますね。
早く始めるのが良い理由


具体的には、どんな点で苦労されるのでしょうか?
50代・60代から始めるのではなく、早く始めたほうがいい理由とは?
筋力や柔軟性はだんだん硬くもなるし弱くなる

まず、筋力や柔軟性って、年齢とともに確実に落ちていきますよね。
長年使っていないと、どんどん硬くなり、力も弱くなる。少しずつ衰えていくので、「気づいたときには思った以上に動けなくなっていた」ということが起こりやすいんです。
落ちた状態から前の自分に戻すのは大変

しかも、一度落ちた状態から元に戻すのって、すごく大変なんですよね。
時間が経てば経つほど、衰えた体を元に戻すのは難しくなります。だからこそ、低下する前に始めておいた方が、圧倒的に楽に動けるんです。

20代や10代に運動していた頃の体のイメージがあると、実際の動きとのギャップが大きくなり、挫折感も強くなりやすいですよね。
それが、まだ何とか体が動くうちにスタートできれば、そういった落差を感じることなく、「こんなはずじゃなかった」と思わずに続けやすいのかなと思います。
おすすめは「ながら運動」


とはいえ、やっぱり20代・30代のうちから運動を習慣化できるのが一番理想ですよね。
そういう意味で、40代から始めるならおすすめは「ながら運動」。
続けられている方はそのまま継続しつつ、この時期に意図的に「こんなのをやってみるといいよ」という運動はありますか?家でできるものがあれば教えてください。
生活の中に組み込むとハードルを少なくできる

おうちでやるなら、やっぱり生活の中に運動をちょっと組み込めると、ハードルは低くなりますよね。
例えば、歯磨きをするときに片足立ちでやってみると、意外とバランスを取るのが難しかったりするかもしれません。
あとは、物を拾うときに手だけで取るのではなく、スクワットのようにしっかり膝を曲げて拾うとか。
テレビを見ながらの「ながらストレッチ」もいいですね。例えば、開脚をしてストレッチしながら見るだけでも、柔軟性を維持するのに役立ちます。
こうやって、普段の生活の中でちょっとした運動を取り入れるだけでも、無理なく続けやすいと思います。

なるほど。新しく運動の時間を作るのもいいですが、すでに過ごしている時間の中に取り込んでいくのも良さそうですね。

そうですね。

そういう方法もいいですね。
体年齢低下チェック


ぜひ40代の方には「体年齢低下チェック」を意識してほしいと思っています。
「以前はできていたのに、できなくなった」と気づくことが、運動を始めるきっかけにもなると思うんですが、簡単にできるチェック項目はありますか?
それこそ、実際にチェック項目を使って指導されていると思うのですが。
靴下を片足立ちで履くことができるのか

例えば、靴下を片足立ちで履けるかどうかですね。
バランス力・柔軟性・股関節の引き上げの確認

これは意外とバランス力だけではなく、柔軟性や股関節の引き上げ、片足で立つ力が関係してきます。
だいたい皆さん、椅子に座って靴下を履くことが多いかもしれませんが、子どもの頃や若い頃は、何も考えずに片足でサッと履けていたはずなんですよね。

これ、30代の方も関係なくできますね。もしかしたら、20代でもできない方がいるかもしれません。

そうですね。

なるほど、こういうことですね。

はい。もし壁に手をついてしまうと、バランスを取る力が十分に使えなくなるので、完全に宙ぶらりんの状態で履けるかどうかがポイントですね。
縦でも横でもいいので、しっかり片足で履けるかどうかを試してほしいです。できなくなっている場合は、筋力やバランス感覚が落ちている可能性があります。

これは、朝起き抜けに試してみるのもいいですね。

寝ぼけている状態でやってみると、より自分の体の状態がわかりやすいかもしれませんね。

ただ、朝は体が固くなっていることもあるので、ケガには注意してほしいですね。

そうですね。

朝起きたときに試して、スッと履けるならまだ大丈夫。でも、ちょっとふらついたり、バランスが取りにくいと感じるなら、筋力や柔軟性が落ちているサインかもしれませんね。
そういうときこそ、意識的に体を動かしていくことが大切ですし、運動を始めるきっかけにしてもらえたらと思います。
今日は貴重なお話、ありがとうございました。

ありがとうございました。
体の歪みを解除しながらストレッチで効果UP
キュアレでは、かかと枕サポーターを使用しながらエクササイズやストレッチの提案を始めています。
特に呼吸を整えながらゆっくりを動きを作るヨガのようなエクササイズは体の歪みを解除して取り掛かれるためエクササイズ効果も高くなると感じています。
関節の可動性が改善したり、体幹の軸が安定したり、関節を動かす際の動きのラインが良くなることを感じていただけると思います。
かかと枕サポーターは以下のような点で特に役立ちます。
❶ 歪みをケア
足首の歪みを整え、全身のバランスを整えます。
❷ 循環を促進
足首の血行を促進し、全身の巡りを改善します。
❸ ながらケア
家事や仕事中など、いつでも手軽にケアできます。
かかと枕サポーターつけることで特に下半身の歪み対策ができるのでストレッチ効果も高められます。一度、試してみませんか?
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