【睡眠の専門家監修】家族で作る睡眠環境!矢野先生が語る“家庭の睡眠マネジメント”

梅雨の睡眠、ちゃんと対策できていますか?
6月に入り、雨の日が増えてきました。湿気でじっとりした空気に包まれると、「なんだか寝苦しいな」と感じる方も多いのではないでしょうか? 実はこの“湿気”こそ、快眠の大敵。カビやダニ、不快なにおい……。放っておけば、知らず知らずのうちに睡眠の質が落ちてしまうことも。

今回の対談では、睡眠の専門家・矢野達人先生に「梅雨の時期に気をつけたい寝室環境」についてじっくり伺いました。湿度の目安は? 家族で暮らす場合の工夫は? 実際に睡眠が改善された事例や、ちょっと意外な“引っ越し”という選択肢まで——

ジメジメした梅雨を乗り越え、家族みんなが心地よく眠れる環境づくりのヒントが詰まった内容です。今日からできる小さな習慣も紹介していますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

目次

6月(梅雨時期)の睡眠について

今日も矢野さん、よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

6月に入って、急に雨が降ってきたり、じとじとしてきていますけれども、以前も「湿気とかカビは睡眠の強敵だよ」というお話をいただいていましたよね。

やっぱり、そこは改めて聞くまでもないかもしれませんが、大事なポイントですよね。

そうですね。簡単に言うと「不快感」というものが睡眠に悪影響を及ぼしますので、心地よい空間をいかにつくるかという視点が大切です。

湿度だったり、ダニだったり、カビの臭いだったり。

  • 湿度
  • ダニ
  • カビの臭い

こういったところがマイナスポイントになりますので、その対策はしっかりしないと、良い睡眠は取れませんよ、ということになりますね。

快適な寝室の湿度は?

カビとか湿気といえばお風呂場のイメージがありますけど、意外と寝室もこもりがちかなと思うんです。

アドバイスされるときに、寝室の中での湿度もやっぱり重視されているんでしょうか?

そうですね。
そもそも湿度計というものを、皆さんあまり持っていないですし、湿度が何パーセントかまで気にする方も少ないんですよね。

湿度50%前後を目安にする

基準としては、やはり湿度50%前後。
多少前後しても構いませんが、50%ぐらいを目安にとお伝えしています。
ただ、それを体感で「今何%だな」とわかる方って、ほとんどいないと思います。

わかりますか? 矢野さん。

僕レベルになると。

なるほど。見まくると何となくわかってくるんですね。

光も「いま何ルクスかな」とか、だいたいわかるようになってきますけど、それは一定期間詰めて、いろいろ体感してきたからこそですね。

過去にはプロアスリートでも「えっ!?こんな湿度の寝室で寝てるんですか?」っていうケースがあったんです。

やっぱりその選手からすると、それがずっと当たり前になっていて、自分では気づけていない。

あるいは「自分はもう少しこうしたいけれども、家族がいるからどうしてもこの温度設定なんです」とか、「ムシムシしているけど家族はこれで快適って言ってるから」といった状況で、実は犠牲者が出ていたりするんですよね。

今の若い方たちはわからないかもしれないですけど、テレビと同じですよね。テレビの番組と。

争奪戦。そうですね。

お父さんが見ているから、みたいな。そういうの、ありますもんね。

ありますね。

湿度調整で睡眠が変わった事例

アスリートの話がありましたけれど、クライアントの中でも、寝室の湿度に気をつけて睡眠を変えてあげるだけで、変化があったという事例もありますか?

そうですね。
さっき話した事例がまさにそれなんですけれども。

実際にパフォーマンスや睡眠の感覚も変わっていったんですね。

そうですね。
振り返って聞いてみると、「言われてみれば、そうかも」という感じなんです。しばらく経ってから「あ、そういえば僕、そんな環境で寝てましたね」っていうくらいで、それ以降はあまり気にならなくなるほど。

それだけ変化があって、喜んでもらえましたね。

どれくらいの差が出た感じだったんですか?

夜中に途切れ途切れで覚醒が出ている状態

夜中に目が覚めるという明確な覚醒ではなく、脳波で測定すると、とぎれとぎれで覚醒が出ている感じだったんですよ。

「その人たちって、夜中に目が覚めることで困ることがありますか?」と聞くと、「ないです」と答えるんですけど、質問を変えて「一瞬目が覚めた気がすることはありますか?」と聞くと、「あります」ってなるんですよ。

ないですか?

一瞬何か、常々考えていることを考えているような感覚で、「言われてみれば途中で一瞬意識があったな」みたいな。

そういうのが脳波で測定すると、けっこう出てくるんです。それがなくなってきて――

翌日の眠気の軽減に繋がる

これは回復ルートに影響して、翌日の眠気の軽減につながったんです。

それがスコアだったり成績に影響していたと。

そうですね。

そんな感じですね。

引っ越しもひとつの選択肢

環境がもうどうしようもないときは、「引っ越し」という話をすることもありますね。
リフォームなども提案するんですが、「わかりました、ではリフォームします」とはなかなかならないんです。

「やっぱりこれは引っ越しした方がいいんですかね?」みたいなご相談を受けて、もちろんそれを無理やり勧めるわけではありませんが、「実はちょっと悩んでたんですよ」といった場合には、それは一つの選択肢として有効だと思いますよとお伝えしています。

その結果、「じゃあ、やっぱり引っ越そう」と決断されるケースもありました。

「家族の睡眠習慣」を見直そう

そういう意味では、やっぱり家ですからね。
一人暮らしだったら全然問題ないでしょうけれども、家族で暮らしているとなると、ある意味照度計もそうですし、湿気に関しても家族全員が一定の知識やリテラシーを持っておかないといけないかもしれませんね。

そうですね。

特にお家を守る人――「大黒柱」という表現でいえば、稼ぎ頭のお父さんというケースもあるかもしれませんが、実際には家の中を支えていらっしゃるお母さんが多いご家庭も多いのかなと思います。

そういったお母さんたちは本当に大変ですよね。
お弁当を作らないといけないし、お風呂も掃除しないといけない。
もちろんご主人が協力しているご家庭もあるでしょうし、子どもが手伝ってくれるケースもあると思います。

ただ、家庭のルールでやるのと、健康に良い睡眠が取れるルールを定めて実行するのとでは全然違います。

たとえば「この設定温度にしよう」とか、「このカーテンは少しだけ開けておこう」といった具合に、家庭を守る人が睡眠に関する知識を持ってルールをつくり、それを家族みんなで守る。

夜リビングでくつろいでいるときに、子どもが床でコロコロしていたら、「仰向けで寝ちゃだめだよ」と言ってあげたり、光の入り方を考えて、「せめて座ってまっすぐ見るようにしよう」とか。

家の中で睡眠を管理する人がいるのがベスト

そうやって、家の中で「睡眠を管理する人」が一家に一人いるのが、やっぱりベストだと思っています。

本当に大事ですよね。
それが自分の子どもに向けても自然とできていれば、その子のパフォーマンスの土台をつくることになりますし、その子が大きくなってから新しい習慣を取り入れようとするのって、実はけっこう大変ですから。

そうですね。
例えば大谷翔平選手なども、やはりご両親のしつけや教えが良かったとか、監督さんの指導内容が良かったとか言われますよね。

自分で「こうしよう、ああしよう」といきなり小さい頃からやっていたわけではなくて、やはり親の影響、監督の影響、環境の影響を受けて育ってきた。

たとえば小さい頃から親に連れられて夜な夜なコンビニに行っていたとしたら、それがその子にとっての当たり前になってしまうんですよね。

親の睡眠理解が子供の発育に影響する

そう考えると、ご両親――つまり親が「正しい睡眠」や「子どもの発育・発達に良い睡眠」とは何か、その答えを知っておくことがとても重要だと思っています。

本当にその通りですね。
知らないか、知っていてそれを実践するかだけの差ですし、それを家族ぐるみで取り組んでいけばいいと思うんです。


毎日完璧にやる必要はなくて、できるときに少しずつ始めるだけでも、習慣ってついてくるものですから。そうした環境づくりを、家族みんなで取り組んでもらえたらいいですよね。

そうですね。
子どもに対してはもちろん愛情がありますし、「将来の病気リスクが減る」とか「発育・発達に影響する」と聞けば、「それはやらなきゃ」と思うはずです。

一方で、ご主人がガーガーいびきをかいて寝ていて「うるさいな、黙ってくれへんかな」と思ってしまうこともあるかもしれませんが、そのいびき、本当に放っておいて大丈夫か?って考えてみることも大事なんです。
危険ないびきとそうじゃないいびきがありますから。

そういったことを奥様が少しでも知っていれば、「うるさいな」で終わらせるのではなく、「これはちょっと注意が必要かな」と気づけますし、それを改善してあげることで、ご主人の健康はもちろん、仕事のパフォーマンスも上がって、気持ちに余裕が出てきたり、優しくなったり、家事を手伝ってくれるようになったり――。

ダイレクトに言うと収入が上がったというケースもあるかもしれません。

それをご主人の習慣、子どもの習慣として、「あの子、起こさなかったら何時まででも寝てるわ」みたいな他人事にしないで、家庭を守る立場として知識を持っておくこと。

「こうした方がいいかも」「サポートしてあげよう」「一度見てもらった方がいいかも」と気づけるようになる。

家の中にドクターがいるって言うとちょっとオーバーかもしれませんが、それくらいの意識が当たり前になっていくといいなと思っています。

湿度対策だけじゃない。枕の見直しで、梅雨の眠りが変わる

梅雨の時期は湿気や寝苦しさで睡眠の質が低下しやすくなります。湿度管理をしていても、「朝起きると首が痛い」「寝ても疲れが取れない」と感じる方も少なくありません。そんな方にぜひ見直してほしいのが「枕」です。

おすすめしたいのが、膨大な臨床経験とノウハウをもとに監修されたキュアレの【THE MAKURA】。
この枕は、寝ているだけで整体効果を発揮する「整体枕」として医療機関や整体院でも使用され、多くの医師や整体師からも高く評価されています。

THE MAKURAの特徴は、頚椎にかかる負担を大幅に軽減する堅めの二つの山が頭部と肩をしっかり支え、「頚椎の一番端」まで含めたすべての頚椎をフリーにする設計。これにより、体の「自然治癒」の信号が届きやすくなり、スピーディーにバランス調整が促されます。

特に湿度の高い梅雨の時期は寝返りが減りやすく、首や肩に負担がかかりやすいもの。THE MAKURAは寝返りをサポートし、筋肉の緊張を和らげて深い眠りへと導きます。

枕を変えるだけで、朝の目覚めのすっきり感や日中の疲労感が大きく改善されたとの声も多く聞かれます。湿度対策と合わせて、枕の見直しをすることで、梅雨の季節も快適な睡眠環境を整えましょう。

この機会に、枕から睡眠の質改善をはじめてみませんか?

THE MAKURAについて詳しく知りたい方はこちら

「医師も推奨する枕」そのワケは……?

6月のまとめ

理想としては、寝室の湿度は――今回寝室に絞って言うなら――湿度50%ですね。
まずはそこを目指して。特にこの時期は、いろいろと実験しやすいタイミングかなと思うんです。

これを機に、家族みんなとのコミュニケーションの一つとして、「一回ちょっとドライ設定で試してみようか」といった形で、取り組んでみるのもいいんじゃないかなと思いました。

そうですね。

今回もありがとうございました。

ありがとうございました。

この記事を監修した人

矢野 達人 矢野 達人 一般社団法人
オルソスリープアカデミー

睡眠サロンや睡眠クリニック、睡眠旅館などを運営、寝具の製造販売や睡眠セミナーなど、睡眠に関わるあらゆることに取り組んできた睡眠のプロ。サロンでは約2万人の睡眠をサポートしてきた。現在はニックリトルヘイルズ氏と正式に契約し、アスリートに向けた睡眠指導も本格化。「日本人の睡眠の価値観を変える」というミッションを掲げて活動中。

塚本 幸規 塚本 幸規 株式会社キュアレ
取締役/整体師

美しく健やかに体を整えるためのアイテムを取り揃えたCURE:REのマーケティング、PRを担当。20年以上にわたる整体師としての経験から様々な不調を抱えるクライアントをサポート。リピート率90%の店舗作りを手掛け、そのノウハウを治療院、エステサロンへ伝授。医療グループ商品開発部門の取締役として、地域医療と個人サロンが連携して顧客をサポートできる仕組み作りをしている。

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