6月の梅雨時期は気圧の変化や湿度などの影響で体内時計が乱れて睡眠の質が低下しやすい時期です。
そこで本日は、「睡眠のプロ」からこの時期の「睡眠のお悩み解決法」「気圧、気象病への対策」などお聞きしました。是非、参考にしてみてください。
対談にご協力いただいたのは睡眠の専門家である「矢野達人」さん。 睡眠コーチとして個人の睡眠指導から法人にて事故防止のための睡眠講習やパフォーマンス向上のための睡眠の指導をされています。 サッカーチームメンバーの睡眠マネジメントを行うプログラムを行い、チームのパフォーマンスアップにも貢献されている先生です。
この対談シリーズでは、そんな睡眠の専門家の知識と経験をもとに睡眠の質を高める方法や、効果的な休息の取り方についてご紹介しております。
6月(梅雨時期)の睡眠で気をつけたいポイント
六月に気を付けていきたい睡眠のお悩み解決法。
はい。
そこを今日はお話を聞いていきたいと思います。今日はよろしくお願いします。
今、1年通して話を聞いてきていますが、メジャーなところでいうと、全国の梅雨入りがある時期かなと思います。この梅雨の時期と睡眠って関係性はありますか?
ありますね。
やっぱりありますよね。
そうですね。わかりやすいのは、やはり湿度や日照時間です。曇りの日が多いことや、気圧の変化など、いろんな意味で睡眠には影響しやすい時期と言われています。
気圧や日照時間、曇っている状況ということですが、どちらの方が影響が大きいのでしょうか?
気圧に関しては、例えば雨が降ると頭痛がすると自覚している人もいますね。そういった敏感な方は、梅雨の時期になると「頭が痛くなる」「何かだるい」と感じることがあります。
一方で、自覚がないけど曇りの日が多いせいで体内時計が乱れることがあります。そうすると、なんとなくだるいとか、疲れが抜けないといった症状が現れる。これが梅雨時期の睡眠の問題点かなと思います。
ありがとうございます。結構、昔痛めた古傷がうずく時期とも言われますよね。
そうですね。
気圧のせいでいろいろな影響が出るという話は、やはり関係性がありそうですね。
そうですね。自律神経に影響が出るため、交感神経の調整が難しくなり、それが過敏になると頭痛が出たりします。
さらに、交感神経や副交感神経のバランスが取りにくくなることで、もっと深刻になると、眩暈がしたり、寝付きにくくなったり、眠りが浅くなる。また、朝がだるいといった影響が出てきますね。
気圧、気象病への対策
規則正しい生活をとる
そういった時期、自覚的にちょっと気になるなという方に向けて、何か良い対策はありますか?
その気象病や気圧病と言われるものの対策としては、調べていただくとわかるかと思いますが、やはり規則正しい生活を送り、良い睡眠をとって、自律神経のバランスを整えることが大切だと言われています。
梅雨時期に入る前から行うこと
梅雨の時期に入って「どうしよう」と焦るのではなく、その前からしっかりと生活を整え、良い睡眠をとり、規則正しい生活を心がけることが重要なんですね。そうすれば、梅雨時期に備えることができ、仮に梅雨で体調を崩しても、その後の暑い夏や寝苦しい時期に影響を受けにくくなります。
もし、ここで生活が乱れてしまうと、どんどん体調が崩れていってしまうので、気象病や気圧の影響を避けるためには、やはりその前から規則正しい生活をして、睡眠をしっかりと整えておくことが大切だと言われています。
湿気、湿度の対策
気象病や気圧に関することだけではなく、湿気や湿度への対策も大事だと思います。特に女性は湿度に敏感な方が多いかもしれませんね。乾燥が嫌だと感じる方も多いかと思いますが、男性と話していても、湿気や乾燥に対して女性ほど敏感ではない方が多いように感じています。
睡眠と湿度の関係性
湿度が睡眠の質を下げる要素として、自律神経系の問題が多いのでしょうか?
もちろんそこもあります。発汗…人間が寝ている時、体温調節のために汗を出しますよね。それを寝具やパジャマが吸ってくれず、コントロールが上手くいかないと、人間は不快感を感じます。
そして、布団を足でバサバサと動かして空気を入れるような動作をしてしまいます。
無意識でやっていますよね。
無意識でやりますね。変な寝返りや無駄な寝返りが増え、体温調節に影響が出てしまうのです。
理想的な湿度とは?
分かりやすく言えば、「湿度計」を家に置いていますか?
ないです。
湿度のストライクゾーンは40%~70%
ない人の方が多いですよね。多分、多くの方が体感で乾燥しているから加湿器を使ったり、じめっとするから除湿器を使ったりしていると思います。
理想的な湿度は50%ぐらいと言われています。40%から70%という幅もありますが、理想と言えば50%ぐらいが良いとされています。
湿度50%を保つためには
理想的な湿度は50%
エアコンを使う・湿気取りを置く
やはり良い睡眠をとるためには、湿度50%を保つことが大切だと思います。そう思ったら、空気清浄機の機能を使ったり、エアコンをうまく活用したり、湿気取りを置いたりすることが一つの方法です。
自然素材を家材に使う
さらに、建物の環境をもっと整えたいと思ったら、壁紙に珪藻土を使って湿度を自動的に50%に保ってくれるような内装にしたり、無垢の木材を使うことも考えられます。生きた素材は、湿気があれば吸い取り、乾燥しているときには吐き出すという機能を持っているので、そういった自然素材を取り入れるのもいいかもしれませんね。
色々な対策ができると思いますが、特に男性の方々には、こういった点にも意識して対策をしていただけるといいのかなと思います。
まずは湿度計を置くことが大切ですね。
意識をする。
意識する。その後天然の素材で吸水性の高い物を用いながら調整する。
そこに投資するのは、なかなか難しいと感じる方も多いかもしれません。そのため、リフォームのような話になってしまうこともありますよね。ですが、空気清浄機や加湿器、除湿器などを上手に使って、快適な環境を保つことを意識していただきたいと思います。
「電気代がもったいない」とか、「じめっとするけど暑くはないから」といった理由でエアコンを使わないという価値観の方もいらっしゃるかもしれません。でも、良い睡眠をとるためには、もったいないという気持ちよりも、そこで体調を崩す方がもったいないという考え方を持ってもらうと良いのではないかなと思います。
湿度計の設置場所
湿度計はどの辺にどう置くと一番目安としては良いとか置き場所ってありますか?
窓際や水回りの場所はNG
正直、決まった場所というのはあまりありません。ただ、窓際や水回りに置くと、そこは環境が違いますから、正確な目安にはならないかもしれません。
確かに変わりやすそうですよね。
自分が一番いる場所に近い所
そうですね。ですから、自分が一番いる場所の近く、例えばベッドなら枕元や、見やすい場所に置く程度で十分です。
ダニが睡眠に及ぼす影響
・眠りが浅くなる
・疲れが取れない
・気持ち悪い(不快感を感じる)
あとは、湿気があるとダニが繁殖しやすくなりますね。特に梅雨時期から夏にかけては、ダニが繁殖しやすいと言われています。
そうなると、シーツや寝具類をこまめに洗い替えないと、ダニが多い環境で寝ることになってしまいます。見えないところではありますが、やはり少し痒みやチクチクとした不快感を感じることがあります。
それが寝ている間に続くと、眠りが浅くなったり、なんとなく疲れが取れなかったり、ひどい場合は気持ち悪く感じることもあります。不快感が強くなると、睡眠の質にも影響が出てしまいますので、特に梅雨から夏にかけては、寝具や寝室の湿度をしっかりコントロールして、寝具の洗濯をきちんと行うことが大切だと思います。
ありがとうございます。衛生面でも嫌ですよね。
はい、衛生面でも嫌ですよね。
余談ですが、全裸で寝るモデルさんの話、聞いたことありますよね?
よく聞きますね。
モデルさんはお金もあるでしょうし、清潔感も大切にしていると思います。そのため、シーツの洗い替えをきちんとしているはずですよね。
「全裸で寝るのがいいんだ」とか「裸で寝るのがいいんだ」と思って、それを真似してシーツを洗い替えしないと、実はそれがダニを養殖しているのと同じことなんです。まさにダニ養殖業をしているようなものですよね。しかも、その環境で寝て気持ち悪いと感じてしまうのは、自分でそれをやっているからなんですね。
ですから、ちゃんと汗を吸ってくれて、湿気を吐き出してくれるような質の良いパジャマや寝具を選び、寝室の湿度もきちんとコントロールすることがとても重要だと思います。
まとめ
まとめると、まず自分の水分調整や湿度のコントロールが大切ですし、環境面ではダニの問題や、もしかしたらカビの問題も考えられます。そういった環境にもしっかり配慮して、コントロールを意識することが大事だということですか。
そうですね、ですのでまずは湿度に対する意識を変えていくことが大切だと実践していて感じています。例えば、湿度計を使ったり、光の時でも「今、何ルクスくらいなんだろう?」と意識を向けることから始めるといいと思います。
やはり湿度や温度に関しても、まずはそこに意識を向けるという習慣を身につけていくことが重要だと思います。
まずは自分の部屋が湿度どれぐらいなのか日々違うと思うので、継続というか確認するという習慣付けからしていくと良いかもしれないですね。
では皆さんもその辺り心掛けてみてください。今回もありがとうございました。
ありがとうございました。
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